2016年01月16日放送放送内容まるわかり!

18歳選挙権 私の1票がニッポンを変える!?

2016年最初の放送は、いつもより放送時間が長い70分のスペシャル企画。 テーマは、今年夏の参院選で実現する『18歳選挙権』です。 スタジオには10代の若者たちが集合!「なんで政治について分かりやすく教えてくれないの?」「私の1票で本当に社会は変わるの?」など、若者たちの素朴な疑問に、とことん応えていきます。 未来を担う若者とともに、政治のこと、選挙のこと、一緒に考えてみませんか?

今週の出演者

専門家

岡澤 憲芙さん(早稲田大学 名誉教授)
原田 謙介さん(NPO法人 YouthCreate代表)
古市 憲寿さん(社会学者)
安達 宜正(NHK 解説委員)

 

ゲスト

10代の皆さん
海外出身の10代・20代の皆さん


小野 アナウンサー

今日はこれからの日本を左右するかもしれない、新しく有権者になる10代の皆さんの疑問にこたえていきます。

野田 さん
これまで20歳以上に選挙権が与えられていて何か問題があったようには感じないんですけど、なぜ急に18歳に引き下げようという案が出たのかなと思って、それがいちばん気になります。


プレゼンテーション①

徳永 アナウンサー
では、この疑問からいきましょう。

20歳で何か問題があったの?実は、問題だって言う人もいたんです。
それが分かるように模型にしてみました。
18歳にした理由を探るために、まずここから始めましょう。

私たちが入れた1票がそのあとどうなっていくのか。
1票を入れると、それで終わりじゃなくて、当然、当選する人が出てきます。

当選した人は、例えば今度の参議院選挙だったら、もちろん国会議員になります。
国会議員っていうのはものすごい力を持っている人たちです。いろんなことを決めることができます。
例えば、この人を選べます。

選挙で選ばれた国会議員がまたその中で選挙をして、1人の人を選びます。それが総理大臣。
つまり日本の未来を決めるリーダーを選ぶのも国会議員の大事なお仕事。
国会議員の仕事はまだあります。これを決めるのもお仕事。

法律って、例えばどんなのがぱっと浮かびますか?

村松 さん
道路交通法。

徳永 アナウンサー
そうです。刑法とか、商法とか、いろんな法律がありますよね。
実は国会議員が議論していることって、法律を新しく作りますか?法律を変えますか?ということです。
それがニュースになります。こういうこと。ほら。

例えば、みんなも納めている消費税。
5%だったのを8%にするだ10%にするだ、10%にするとしても、軽減税率ってどこまでやるの?どうするの?本当にやっていいの?って国会でずっとやっていますよね。
これは全部、法律を新しく変えるという案を出して、それを本当にやっていいのかどうか話し合っているんです。
それでOKしないと一切通らない。国会議員が「いいですよ」って言わないと、何も実現しません。
それから、去年ニュースになって今も議論になっている安保の関連法。
これも、いいですか?悪いですか?ということを、法律を作って通すという作業をしてる中で議論している。それがかなり白熱したっていうことなんですね。
よく考えてみると、消費税を上げるか上げないかというのは、"未来"の世代に借金をどこまで残していいんですか?ということから議論になった。
安保の関連法については、賛成も反対も激しく言い合ったけど、どちらも日本の"未来"を平和にするためだと言い続けました。
それからもう1つ。これをOKするのも国会議員の大事な仕事。

つまり、国に入ってくるたくさんの税金を、何に、いくら振り分けるか。道路を作るのか、橋を作るのか、介護や保育を充実させるのか、教育に使うのか。そういったことを話し合って、国会議員がOKしないと、予算というのは前に進んでいきません。
つまり、何が言いたいかっていうと、国会議員が決めていることというのは、ひと言で言えば、これからの"未来"をどうするかを決めているんです。

その国会議員を選んでいるというこの選挙は、要は、"未来"を決めている1票だということです。
で、20歳のままで何が問題なの? ということでしたよね。

いま、原則20歳以上の人が1票をみんな持っている「有権者」です。
これはずっと続いてきたルールですが、最近こういうことが起きております。
人間、いつまでも若くない。

ただ、新たに若い人がどんどん入ってくればいいんですが、もうご存じのとおり、お年寄りが増えて子どもが少ないという「少子高齢化」になります。

みんなが1票ずつ持つ平等なルールではあるんですが、人口の比率を見ると、1票を持っている人の数がお年寄りのほうが多いですよね。

だからこれを「シルバー民主主義」、つまり、お年寄りの意見のほうが世の中通りやすくなっているんじゃないの?と言っている人もいるんです。
選挙って"未来"を決めているんでしたよね。未来をいちばん担うのって、若い世代でしょう?そこが少ないってどうなの?

じゃあ、みんなにも入ってもらおうじゃないの、というのが18歳に下げた大きな理由の1つです。

石神 さん
20歳から18歳、なんで?しかなかったんで、意味が全然分かんなかったんですよ。
今まで不満に思っていたんですけど、私たちのことを思って18歳に下げたっていうことをいま初めて知って、そういうことだったんだなって思いました。

古市 さん
選挙権ってもらえたらうれしそうなものだけど、不満だったんですか?それは。

石神 さん
そうです。18歳で選挙に行きたくないって思っていたら、選挙に行かない若者っていうふうに見られるじゃないですか。
そういうふうに見られるのが、ちょっと嫌だったんで。

川上 さん
私は、20代が全然選挙に行かなくて問題になっているから、年齢を下げてもっと行ってくれる人を増やそうってしたのかと思っていて、こういう理由なら納得しました。

水咲 さん
私が思うのは、18歳、19歳に下げても、私の周りであんまり政治のことを分かる子がいないんですよ。
私も分からないし。だから、年齢を下げたところで知識のない人が投票しても何になるんだろうって。
もうちょっと18歳、19歳も政治のことが分かるような何かがないと、何も知らずに投票にしても意味がないかな、と。
人数だけ増やしても...っていうふうにまだ思います。

中山 アナウンサー
実はこんな疑問が10代のみなさんからたくさん出てきました。

ですので、大人はどんな基準で選んでいるのか聞いてまいりました。どうぞ。


VTR①

○70代女性 「私は年金と消費税(の政策で選ぶ)。」
○40代男性 「政党で選ぶ。この国が最終的にどうなるのか、どう安全保障していくのかを考えて入れる。」
○20代男性 「選ぶ基準は直感。清潔感などの見た目。政策にはこだわらない。」
○60代男性「私の場合は好きな人。タレントが出たときなど。嫌いな人がいたら対立候補に入れる。」


石神 さん
びっくりしました。

水咲 さん
もうちょっと考えていると思っていました。

小野 アナウンサー
大人を代表しておわび申し上げます。大人もこんなもんです。すいません。

岡澤 さん
そう、こんなもんなんです。だから、あんまり大きな期待してもだめだし、失望することもないと思う。
日本で、自分たちが自分たちのリーダーを選べるようになったのはそんな昔からじゃないんですよ。
この国で最初に議会が開かれた時には、直接国税15円以上を払った25歳以上の成年男子しか選挙権がなかった。

小野 アナウンサー
そのころの国税15円っていうのは大変なお金ですか?

岡澤 さん
大変なお金です。総人口がだいたい4500万人前後だったんですが、だいたい50万人ぐらいしか選挙権がなかった。
だいたい1%。残りの99%は自分の運命を人に委ねたんですよ。1%の人だけが自分たちの意思を表明できた。
それから先輩たちが一生懸命努力して、今から70年前に女性も選べるようになった。
男女普通選挙っていうのはそんなに歴史がないんだよ。わずか70年。
そして、20歳から18歳にする。わずか2歳下げるために70年をかけた。
先輩たちがこんなに努力してやっと手にした果実を、皆さんに無関心って言われると、じゃあ昔の1%しか参加できなかった時代のことを考えたら、その時の若い人たちはどんな気持ちだったのか。

安達 解説委員
戦後最初の選挙の時に女性が初めて選挙権をもらったでしょ?
やっとこういう権利をもらったと言って、晴れ着を着て選挙に行った人たちもいた。

川上 さん
うれしいことだったんですか?

安達 解説委員
うん。だって今まで1度も選挙権がなかったし、自分たちが選べない中で戦争みたいなことにもなっちゃったし。

原田 さん
歴史の中で選挙権を得たのがうれしいとか、晴れ着着て行ったというのは、それはもう完全におっさん側の話で、若い人からすると、急に選挙権をもらっても困るし、そもそも少子高齢化でどうせ若い人の声通んないだろうって思っているので、そこを、うれしいことだろう、大事なことだろう、って伝えるだけでは伝わらないわけで。
急に何か来て困った、という意見も結構多いんじゃないかなと思うんですけどね。

小野 アナウンサー
私が納得しきれていないところは、少子高齢化は昨日今日に始まった話ではないのに、なぜ今18歳に引き下げるの?なぜ今年なの?というところなんですが。

古市 さん
本当は遅すぎるんですよね。
だって、これまでも日本は凶悪犯罪を犯せば18歳でも死刑になっていましたから。死刑になる可能性があったのに選挙権はなかったという不平等な状態が続いていたんですね。
だから、その不均衡を直すという意味もたぶんあったんじゃないかなとは思うんですけど。

岡澤 さん
少子高齢化をベースにした話が出てきたのは最近の現象であって、大きな流れから言うと、地球社会全体のグローバリゼーションの中で、日本でいうと人々が1億2700万人いて、有権者だけで1億人いるわけですよ。
ということは、1つの問題で意見が1億個あるわけ。で、皆さんの人生も非常に多様化している。
それを、おっさんばっかりで法律を決めて、未来が選択できるのかと。

安達 解説委員
安倍総理大臣の思いとしては、憲法改正をしたいという思いがあるんだけどね。
その憲法改正の是非を決める「国民投票」というのは、もうすでに18歳からできるようにしていたんですよね。
だから、憲法改正の国民投票だけ18歳で、普通の選挙は20歳だったら、憲法改正の国民投票で是非を問う時にちょっと合理的ではないんじゃないかという意見もあって、憲法改正したいという思いも安倍総理大臣の側にはあったというのも事実かもしれませんね。

秦 さん
18歳に下げられたのも、国会の中で決められたことじゃないですか。
私たちが直接「選挙権がほしい」と言ったのではなくて一方的に急に渡されたので、なんで18歳がいない中で決められちゃったんだろう?と思うんですよね。

岡澤 さん
世界には、今だいたい国連加盟国で190か国ぐらいあって、それ以外の国を入れるとだいたい200前後あるんだけど、だいたいの国が選挙権年齢は18歳。20歳の国なんてほとんど例外。
だから、グローバリゼーションの中で、政治家も役所もジャーナリストもみんな、いずれ18歳だよねっていうことは分かっているわけ。
それプラス、少子高齢化の問題で。国家予算が100兆円の国で、国民総生産が500兆円で、借金だけが1000兆円あるわけ。
1000兆円の借金を返すのは誰かというと、皆さんですから。
われわれの世代は高度成長でワーッとおいしいところを食べて1000兆円の借金をして、子どもと孫に膨大な債務を残していくわけ。
債務だけ残されて、自分たちに発言権がないのはおかしいんじゃないかと思っても当たり前かもしれないですね。

古市 さん
ますますみんなが責任感じちゃうような...。
そんなに重くならなくていいと思っていて、僕は選挙って日本でいちばん大きいお祭りだと思うんですね。2人に1人が参加するすごく大きいお祭り。
ものすごいお金もかかっているんですね。だいたい600億円ぐらいかかる。
だから僕は、それってライブに似ているなと思っていて。ライブのチケットはもう強制的に買わされている。
だから、行く行かないは自由なんだけど、ただ、買わされてしまっている以上、行ったほうが盛り上がれるんじゃないかっていうふうに思うんですね。
選挙の日はどのテレビ局も選挙特番を放送するじゃないですか。
NHKを見ているとおもしろくて、いつも真面目な顔したアナウンサーが、すごく盛り上がって選挙のことを報じているんですよ。
だから、その日の盛り上がりに参加するという意味でも行ったら楽しいんじゃないかなと思います。

鵜崎 さん
選挙権が与えられた以上、選挙には行かなきゃいけないんだろうなとは思うけれど、政治について私たちに分かりやすく説明してくれる場がないというか。
学校でもっとやってほしいなとか、携帯を使ってもっと分かりやすくしてほしいとか。

原田 さん
やっと学校の中でも、政治や選挙をどうやって学んでいくかとか、選挙の時にどういう人を選ぶかを学ぶ機会は少しずつ増えてきているので、そこで少しずつ学んでいってもらえればと思うし、僕らは学んでいないですから。
僕らは学んでいないまま20歳になって、大人になって少しずつ経験の中で何とか知っていった。
それを少しでも早く学んでもらおうというのにやっと変わり出している。

古市 さん
でも、どうやって投票する人を選んだらいいんですか?
投票する政党とか候補者とかって難しいじゃないですか。

原田 さん
そうなんですよね。だから、政党や候補者を先に見ちゃうとすごく難しくて、別にマニフェストに書かれていることを全部分からなくていいんですよね。
例えば、僕はスポーツが好きなので、スポーツのことをどの政党が語っているんだろう?とか、あるいは自分の町のことをどう語っているんだろう?とか、自分の興味、関心の範囲内でいいから、そこから少しずつ、この政党は何を言っているんだろう?この政治家は何を言っているんだろう?って見てもらえばいいかなと思うんですよね。

小野 アナウンサー

この疑問は誰ですか?

黒川 さん
僕です。
確かに選挙に行く意味はあると思っていて、自分が投票したらすごくわずかには社会は変わると思うんですよ。
でも、それがわずかすぎて、わざわざ自分が行く労力や時間っていうのを鑑みると、わざわざ選挙に行く意味が分からない。

小野 アナウンサー
あー。

黒川 さん
別にわざわざ選挙に行って社会を変えなくたって、いま結構、現状の生活に満足していますし、わずかなお金があってわずかな友人でもいれば、結構幸福な生活を歩むことができると思うんですよ、現代の若者って。

安達 解説委員
古市さんの本みたいだね。

黒川 さん
ちゃんと読みました。なので、わざわざ投票に行く意味って本当にあるのかなと思って。

安達 解説委員
選挙を"権利"として考えるか、"義務"として考えるかというのがあるんですけど、日本の場合、"権利"として位置づけられているわけですね。
権利を行使するかしないかは黒川君が決めればいいことなんだけれども、ただ、人に全部任せちゃうというのはもったいないなという感じは僕なんかはするんだけどね。

古市 さん
若者の低投票率を責めるのも違うと思うんですね。世界中ほとんどの国で、若い人のほうが投票率は低いんです。
若い人のほうが家族を持っていない場合も多いし、出産していない場合も多いし、どうしても政治が縁遠いのはしょうがないと思うんですね。
だから、無理やり投票しろとは僕も言いたくはないですけど、ただ、今は平均寿命がすごく伸びているから、女性の場合は2人に1人は90まで生きるんですよ。
だから、皆さんは平均的に考えたら、あと70年以上生きる。
70年以上生きる社会で人任せにしておくって、ちょっとリスキーだなって思うんですよ。

小野 アナウンサー
でも、「投票に行かなくても結構幸せだ」っていま、黒川君は言っているじゃありませんか?

黒川 さん
いま投票しなかったら、将来的にこの生活に何か支障は出るんですかね?
そういう具体的な例とかがあったら、投票に行くかなとは思うんですけど。


プレゼンテーション②

徳永 アナウンサー
ここでVTRをご覧ください。みんながどう思うかを聞いてみたいのですが...。
今、学びたくても経済的に難しいという若い人たちがたくさんいます。

若者の貧困問題に取り組むNPO法人は、社会的な支援がまだ十分ではない、まずは実態を知ってほしいと訴える活動をしています。
こちらは経済的に塾に通うことが難しい中学生と高校生が通っている無料の学習支援教室。教えるのはボランティアの大学生の人たちです。
でも、参加している子たちは皆、自分の将来に大きな不安を抱えていると言います。
こちらの高校生は保育士を目指してこの春短大に進学するのですが、学費は奨学金でまかなうことにしているんです。

でも、将来本当に返せることができるのかと、もう今から心配だと話すんです。
じゃあ、なんでこんなことが起きているのかを見ていきましょう。

まず実態です。皆さんも大学に行っていたり、これから行くことになる人もいると思いますが。

いま奨学金を受け取って生活している大学生は、いちばん大きい日本学生支援機構に入っている人で134万人です。
これは大学に通う人の3人に1人。奨学金はほかにも民間の会社がやっているものもいっぱいあるので、奨学金を受けている人の比率はもっと高くなります。

学生時代に受け取る奨学金は、人により差はありますが、だいたい300万円ぐらいなんです。
これを卒業したあと働きながら返していくのが基本的なルールです。
でも、こんな問題も起きています。

さまざまな事情で返せない。3か月以上滞納している人が少なくとも17万人いる。これも社会問題になっています。
もちろんいろんな事情はあると思いますが、やっぱり奨学金に頼らざるを得ない事情があります。

それが大学の授業料です。実はどんどん上がる傾向にあるんです。
国立大学のほうがもちろん安いです。小野さんの時は?

小野 アナウンサー
1年間で30万ぐらいだったかなと思いますけどね。

徳永 アナウンサー
僕は10年ぐらい後輩なんですけど、40万円台だった。今は50万円を超えています。
まだ決まっていませんが、どんどん上がる傾向にあって、「16年先には90万円を超える」かもと言っている試算もあるんです。

石神 さん
上がる必要性はあるんですか?

徳永 アナウンサー
なんで上がるかは、国会議員がOKを出している「予算」と関係しています。

大学って、国の予算から「交付金」というお金を支援してもらって、結構これに頼りながら運営しているんです。
でも、予算って潤沢にあるんだっけ?岡澤さんも話していましたが、国の借金はすごいよね。

だから、この交付金がずっと減る傾向にあるんです。大学もやりくりのために授業料を上げなきゃいけない。
だから、奨学金に頼る人が増えているという指摘もあるんです。

秦 さん
教育っていちばん"未来"に関わると思うんですけど、なんでもっと予算を増やさないんですか?

徳永 アナウンサー
そこだよね。予算を決めているのは、僕らが選んだ国会議員。でも、その国会議員を誰が選んでるの?というと、有権者が1票で選んでいるんだよね?っていう話です。

古市 さん
岡澤さんは別だと思いますけど、60、70の方は真剣に20年後、30年後のことを考えなくてもいい方がたぶん多いと思うんです。
だから、「世代間格差」という言葉、知っています?今、日本で若い世代と高齢世代の差が問題になっていて、高齢者の方のほうが自分が払った額よりも年金や医療費をたくさん返してもらえている。
でも、今の20代以下になると、払った額も返してもらえないかもしれない。年金も払い損になっちゃうかもしれない。世代によって格差がすごくあるんですね。若い人は損している。
でも、そういうこともたぶん、みんなはあまり意識せずに生きてきたと思うんですけど、授業料の問題にしても、実は客観的に見てみると、若者って損している部分がたくさんあるんですよね。

徳永 アナウンサー
政治家だって人だから当選したいじゃないですか。そりゃあお年寄りが多けりゃ、こっちの政策を言うよね。

川上 さん
この間、3万円払うって。

徳永 アナウンサー
これ、いろんな議論があります。格差が広がって恩恵が来てないのはお年寄りだから、と政府は言うんだけど、でもね、という声もあって、今ずっと国会でもめている。

石神 さん
少子高齢化で、子どもが少ないからもうちょっと有権者を増やそうって言って増やしたのに、結局、政治家が年寄り側に向いていたら意味なくないですか? 

徳永 アナウンサー
じゃあ、こんな計算をここでご紹介します。

おととしの冬に行われた衆議院選挙のデータを持ってきました。年代別にだいたい何人の人が投票に行ったか、つまり、何票入ったか。
60代の人は1200万票近く入れました。でも、20代は400万票しか入れることができませんでした。

小野 アナウンサー
それはやっぱり60代が多いからですか?

徳永 アナウンサー
人数の差だけではありません。これです。

60代は、3人いたら2人投票所に行きました。
20代は、3人いても1人しか投票所に行きませんでした。

小野 アナウンサー
それじゃあ、この差が出るのはもっともだ...。

徳永 アナウンサー
でも、ここからが大事です。ちょっと計算をしてみました。
ここに18歳、19歳のみんなが入ったとします。そして、20代と一緒になって、60代並みに投票所に行ったとします。どこまで伸びるか見ててください。

安達 解説委員
僕は政治記者で、国会の取材をしていたんですけどね。
政治家と話をすると、50歳から70歳の有権者と話すほうが力が入るって言うんですよ。若い人たちに比べて。
どうしてかというと、みんな選挙にも行ってくれるし、20代の人にいくら話をしても選挙に行ってくれないし、18、19歳の人は今まで1票もなかったわけですからね。
どうしても高齢の人の話を聞いてしまうというのが政治家の本音なんだよね。

徳永 アナウンサー
思いだしてほしいんです。奨学金の話から始まりましたよね。
もし、さっきみたいに10代、20代の投票率がぐーんと上がって、プレッシャーをかけようとしたら、こんな政治家がたぶんもっと出ますよね?

でもそれも、若い人が本当に票を入れているかで決まってくるんじゃないか、という話なんですよね。

中山 アナウンサー
大学生の村松さんが、まさに今、奨学金を借りているそうです。

村松 さん
卒業してからちゃんと就職できるかも分からないし、10年とかかけて返さなきゃいけないのに、ずっと働けるかどうかも分からない。
経済も変わっちゃうかもしれないので、借りるリスクは結構あったので、もし法律でもっと給付の奨学金が増えたりしたらいいなというのはあるんですけど。
でも、今私たちが18、19歳で選挙権をもらっても、候補者の年齢は変わらないじゃないですか。
だから、若者の意見を!と言っても、選ばなきゃいけない人は変わらないので、そこは本当に反映されるのかなと。

古市 さん
ただ、政治家って空気を読むんですよね。空気を読むから、若い人がものすごく投票に行くとなったら、たぶん空気を読んですり寄ってくると思うんですよ。

村松 さん
若い人も投票に行くって思ってくれますか?
きっと今度の選挙でも高齢者は安定して選挙に行くだろうけど、若者はそんなに行かないんじゃないかって思われているから、こうやって話し合いが開かれている。
若い人も投票に行くと思ってくれなかったら、若者向けの政策を作ってくれない。
18、19歳が増えても32%の人しか行かないなら、高齢者向けに政策を作ったほうが当選するには安定というか...。

古市 さん
たぶん20代の投票率をすぐに上げるのは難しいと思うんですけど、ただ、今回の18歳、19歳の投票率はみんな注目してると思うんですね。
たぶん皆さんがこれから人生で経験する選挙の中で、いちばん重い1票になると思うんです。
なぜなら、マスコミがこれだけ注目しているから、18歳、19歳だけの投票率がどれくらいだろうということを、マスコミも政治家も世間もすごく注目している。
だから、これで10代の投票率がすごく高かったら、状況は変わるんじゃないかなと思うんですよね。

小野 アナウンサー
でも、20代に18歳、19歳が加わっても、結局は60代のパワーに勝てないのでは?

川上 さん
200万票、負けている。

原田 さん
勝てる勝てないという議論も僕はおかしいと思っていて、例えば皆さんのおじいさん、おばあさんが皆さんの不幸を望むかといったら、望まないわけじゃないですか。
それがなぜか国の政策になった時に、世代間で意見が違うとなっているのはすごくもったいないので、若い人たちがこういうことで困っているんだとか、あるいはこういう未来を作りたいんだということを真剣に発信をすれば、上の世代の方も、じゃあ自分たちのことよりも、もうちょっと若い世代のこととか次の未来のことを考えようと思うので、この単純な票の違いがあるから、絶対に若い人が勝てないっていうわけじゃないんですよね。

小野 アナウンサー
勝ち負けというよりは、大きな発言力というふうに見ればいい?

原田 さん
発言力だし、それが未来につながる力だと。

中山 アナウンサー
ツイッターでは、10代の皆さんに対して「みんなの意見は本当に頼もしいです」という声が来ています。

原田 さん
「頼もしい」って、例えば僕も政治家の方や上の世代が話す場に行くんですけど、「若い皆さん、頼もしいね」という話をよく聞くんですけど、おそらく普通の皆さんなんですね。結局、政治家も上の世代の人も今まで若い人の話を全く聞こうとしなくて、たまに聞くと、「ああ、すばらしい人たちがいる」と言う。
それは大人側にも責任がある。もっともっと日々、若い人たちの話を聞けばいいし、逆に言えば、ちょうど選挙年齢が下がって皆さんに注目が集まるタイミングなので、皆さんもどんどん声を上げれば、若い人にもっともっと任せようとというふうに変わっていきますね。

稲垣 さん
今こうやって聞いていておもしろい話をしてくださって、自分もおもしろいなと思うんですけど、でも、これを聞いてもたぶん3歩歩けば忘れちゃうくらい政治が他人事な感じ。
自分の友達を見ていても。

安達 解説委員
ずーっと政治のことを考えている人ってあんまりいないですよ。
3歩歩く間だけ考えるというのも、結構大事だったりする。

中山 アナウンサー
大人の方からは、「私は20歳のころ、全く政治のことを考えていませんでした。
50歳になってから、年金目前に考え出しました」というような意見も来ています。

石神 さん
18歳から、という年齢の制限はあるじゃないですか。投票権の年齢の上限はないんですか?

安達 解説委員
定年?

石神 さん
はい。すごく不公平だなと思って。
下の子は若者たちに目を向けているのに18歳からしか投票できなくて、年上はずっと投票できるわけじゃない?
それって全然平等じゃないなと思うんですけど。

原田 さん
これは本当に考えたほうがよくて、このままだと少子高齢化の中の民主主義って成功しないんですよね。
なので、投票権年齢も定年を設けるとか、あるいは、若い人が1人1票ではなく2票を持つとか、そういう話をもっともっと考えていって、この少子高齢化の中でどう未来を作るための政治にしていくのかを議論しなきゃいけないなとは思っています。

安達 解説委員
スウェーデンなんかは18歳から選挙に立候補できるんですよね?

岡澤 さん
そうなんですよ。日本の場合は被選挙権年齢がちょっとバランスを欠いていて、参議院議員、都道府県知事は30歳からしかなれないんです。市町村長、衆議院議員、市町村会議員は25歳でなれるんですね。
一見合理的なように見えるけど、人口60万ぐらいの県の知事は30歳からしかなれないのに、人口350万の横浜市の市長は25歳でなれるんですよ。
日本で最年少の総理大臣が生まれるとしたら、原則的には衆議院議員から選ばれるでしょうから、25歳でなれるのに、その人は知事にもなれないし参議院議員にもなれないんですよ。
だから、理屈はともかくとして、ちょっと分かりにくいんですよね。
選挙権年齢が18歳じゃないということも分かりにくかったと同様に、被選挙権年齢にちょっとばらつきがあるのも分かりにくいなと。

古市 さん
本当はここにいる10代から政治家に出るような人がいてもいいですよね。

岡澤 さん
そういうことです。本当です。

中山 アナウンサー
小野寺くんは宮城県南三陸町の出身で、ご両親が今も仮設住宅に暮らしていて、政治にすごく思うところがあるそうですね?

小野寺 さん
そうですね。私自身は東北の被災地出身なので、震災以降は、町の復興だとか町作りというところで、自治体の情報に関心はいくようになったんですけど、そこから離れて、国政のレベルになると、何となく自分と遠いような存在というふうに感じる面があるのかなと思います。

岡澤 さん
日々の日常生活と政治の距離がちょっと大きすぎるのは、これは明らかに現在議員バッジを付けている人の怠慢なんですよ。
選挙制度改革で2歳下げるのに70年かかったって言いましたけれども、今、議員バッジを付けている人は、今の制度で議員バッジを付けているんですよ。
制度を変えたら、自分の未来がどうなるか分からないという不安感でどんどんどんどん先送りしてきて、ついにここまで来たんですよ。

川上 さん
変えたら、自分が政治家じゃなくなっちゃうかも、っていう。

岡澤 さん
そう。だから、なかなか今ある制度を変えるというのは大変なことで、2歳下げるのに70年。
それを、政治家も役人もジャーナリストも、ああ、世界の選挙権年齢は18歳だな、もう今から若い世代の人に政治に参入してもらわないとこの国の未来は難しいなということに気づき始めたということは、ものすごい重要な要素だと思う。

原田 さん
小野寺さんがおっしゃったように、自分の町のことなら何となく距離が近いから分かる。
でも、日本で政治というと、国会議員がやっているとか国の選挙だけというと難しそう、遠そうとなるので、まず自分の身の回りとか、町のことから興味を持とうと。
駅前再開発ってどういうことやっているんだろう?とか、少子高齢化で学校が1つ閉鎖する、じゃあ学校の跡地どうするんだろう?ということは絶対に皆さんの周りで議論されているんで、そういうほうがもしかしたらまだ関わりやすいかもしれないので、急に参議院、衆議院に興味を持たなくても、自分の町をちょっと見てもいいかなと思います。

村松 さん
町のことを、って言っていたんですけど、自分の県や自分の住んでいる地区の候補者の人は選挙の時期になったら来るけれど、選挙ではない時期にその人たちが自分の町にいいことをしてくれるのかというのが、見えないし分からないから、そこを見たいし、知りたい。


プレゼンテーション③

徳永 アナウンサー
実は、それについてみんなと話したいという人が3人来ています。どうぞ入ってください!

ヨーロッパの出身で、今、日本に滞在している皆さんです。
3人は政治との距離がとても近い文化で育ちました。そこでこんなプレゼンテーションを行います。
まず、スウェーデンからお越しのアマンダさんです。タイトルは、こちら!

スウェーデンでは当たり前の風景を教えてもらいました。

こちらは高校の教室です。黒板の前のこの人、先生じゃないんです。

国会議員が当たり前のように学校に来るそうです。何を話すのですか?

アマンダ さん
若者が不安なところがあれば、政党の青年部の政治家に聞いてみます。

徳永 アナウンサー
学校だけじゃなくて、休みの日のショッピングセンターの駐車場に、「はいどうも、政治家です」。
広場に行っても、「はいどうも、政治家です。お元気ですか?」
拡声器でワーッて言うだけじゃなくて、話を聞いてくれるんですって。

アマンダ さん
そうですね。ディスカッションしたいので、そのためにいます。

小野 アナウンサー
いろんな党派の政治家が来るんですか?

アマンダ さん
そうですね。

野田 さん
日本の学生だったら、政治家って何考えているか分からないとか、どうしても距離が遠いものだと思うんですけど、そういうふうにスウェーデンでは政治の距離が近いのなら、スウェーデンの学生とか私たちと同世代の子は、政治家のことをどういうふうに見てるんですか?

アマンダ さん
政治について学校でいろいろ習っているので、結構分かるようになります。

鵜崎 さん
それで投票率は高くなるんですか?

岡澤 さん
だいたい今、全体で82%。

安達 解説委員
20歳前後でも、80%近くです。

徳永 アナウンサー
アマンダさん、日本の20代の投票率は32%だったんですけど、どう思いますか?

アマンダ さん
残念ですよね。

徳永 アナウンサー
次の方は、ドイツからお越しのタベアさん。タイトルはこちらです。

ドイツは、東日本大震災で原発事故があったあと、国を二分して原発を続けるかやめるか大きな議論になって、結局やめる方向性を決めた国です。

大人だけではなくて、実は、中学校でも議論が激しかったそうです。
中学校の社会科の中に「政治」というカリキュラムがあって、国会と同じようなテーマで本気で議論をする文化があるんですって。
タベアさんは今20代後半で、中学校の時、何話したんですか?

タベア さん
何でもありですね。例えば、自分たちの教育制度についてとか、安楽死について。

徳永 アナウンサー
シリアからの難民をどこまで受け入れますか、とか?

タベア さん
それは今すごく大きな話題です。

徳永 アナウンサー
中学校でも話している?

タベア さん
もちろんです。だって、国全体が関わっているから。もちろん私たちも関心を持っていますので。

徳永 アナウンサー
もっと身近な例もあります。スイスから来た留学生のクリストフ君、18歳。
タイトルはこちらです。

クリストフ君の家を再現してみました。

家で普通に、国会と同じようなテーマで話すのは当たり前。
最近あったテーマは、移民を受け入れるべきかです。
クリストフ君は賛成派、パパは反対派で結構もめたそうです。

クリストフ さん
結構熱い話にもなりますね。

徳永 アナウンサー
まだ続きがあって、ここに13歳の弟が帰ってきた。
帰ってきたら、家が移民政策でもめているわけ。そうしたら、何て言ったかというと。

水咲 さん
すごーい!

石神 さん
大人!

徳永 アナウンサー
13歳でも意思を表示するって、珍しくないんでしょう?

クリストフ さん
本当に当たり前のことなので、逆に日本に来て、そうじゃないのでびっくりしました。

小野 アナウンサー
13歳でそういうことが言えるようになるのは、どういうところから情報を仕入れているんですか?テレビとか新聞とか?

クリストフ さん
弟はニュースにはそんなにまだ関心がないので、やっぱり家族の中の話ですね。

水咲 さん
日本もそうしてほしいですよね。
日本はただ若者に「投票をしてください」と言って、でも実際の選挙では、投票率の高い高齢者に向けたことばかり言うじゃないですか。
私たちが投票しないと、若者に向けたいいことを言ってくれないじゃないですか。
だから、なんで若者が先に動かなきゃいけないんだろう?って。
でも、スウェーデンは政治家のほうから来てくれるじゃないですか。授業でもやってくれたり。
そういうのが私たちにもあれば政治に興味が持てるし、投票に行こうかなという気にもなると思う。

野田 さん
私も、いちばんそれが疑問に思いました。
たぶん日本の政治家の方たちだって、世界は政治家が国民との距離を縮めようとしている取り組みを知ってるはずなのに、どうしてもっとまねしようとしたり、歩み寄ってくれないんだろう?って思うんですけど。

安達 解説委員
でも今度18歳に下がるでしょ?政党の側も本当に今度の選挙は、若い人たちがどういうふうに選挙の行動に出るかを注目していて、まだ少ないかもしれないけども、どんどん政治家のほうも出かけようとする努力をしているので、ぜひ若者のほうも応えてくれるようになってくれると...。
僕が政治家の代弁する必要はないんですけれども。

黒川 さん
注目されているかもしれませんけど、今回の選挙って一過性のイベントみたいな感じだと思うので、たぶん今回の選挙終わったら、もう来年からはどんどん...。

安達 解説委員
イベントは1回目が大事なんだよ。

村松 さん
今回だけ注目されていると聞いて、そこから継続できますか?

岡澤 さん
確かに有権者の方は1億人いて、今度増えるのは240万人。数でいえばそんなものなんだけど、小さなきっかけで始めたことが大きな成果を生むというのは、政治の世界じゃ大いにありうること。
その逆もある。小さく始めたことが大きな悲劇を生むこともある。
だから、政治というのは非常に全員参加のドラマだから、自分がしらけたところで、政治は勝手に押し寄せてくるのよ。
「野球が好きだ」と言ったところで、政治が「野球は敵性スポーツだからダメ」と禁止したから、私たちの先輩は野球ができなかった。
「海外旅行が好きだ」と言ったって、政治家に「海外旅行はダメ」と言われたら、行けなかった。私は日本人が海外旅行に行ける最初の世代、1期生だったの。
経済が悪くなったりすると、すぐに禁止。それはもう関係がないと言いながら、実は関係がある。
「私はバイクを飛ばして時速100キロで走るのが大好きです、個人の趣味です。」と言ったって、「この道路は制限時速は50キロですよ」と決めたら、それを破ったらもう罰金なんですよ。
自分の趣味の世界にまで政治は入っているのに、「自分は何ともならない、政治家は何もしてくれない」ではなくて、「せっかく先輩方が作ってくれたんだから、自分たちで何とかしようじゃないか」というふうになると、小さな出来事が大きくなっていく可能性があるなという気がします。

中山 アナウンサー
若い皆さんに話を聞いてみると、政治に関心がとても高い人もいて、川上さんは家や学校でもお話をされるそうです。

川上 さん
私自身がテレビを結構見るので、ニュースを見て自分はどう思うか自分の意見を持つようにしているんですよ。
それでママの意見も聞いて、それでぶつかって1個の意見を出すのではなくて、お互いに意見を言い合って納得するというか、ほかの人の意見を吸収して、そういう考えもあるんだと思うようにしています。
学校の友達の時は、ファッションだって消費税とつながるじゃないですか。
そういうものと絡めて、友達と話したりします。

安達 解説委員
クリストフさん、スイスは本当に政治が日常なんだよね?

クリストフ さん
そうですね。実は僕の友達2人がこれから政治家になろうとしているんですけど、1人は19歳で、1人は18歳です。

古市 さん
日本だと18歳で「政治家になりたい」と言う人は未熟だとか言われると思うんですけど、周りの、もっと年配の人の反応はどうなんですか?

クリストフ さん
それはすごくいいことだと思ってくれています。

小野 アナウンサー
友達の間でいうと、かっこいい人ですか?それともちょっと引いてしまう感じですか?

クリストフ さん
どちらかというと、かっこいいですね。
自分の意見を出してこいつ自信あるな、と思いますね。

小野 アナウンサー
政治の話を友達とすることはありますか?

石神 さん
しない。

鵜崎 さん
最近だとマイナンバーの話は身近で、使い方を間違えたら危ないし、でも便利だし、という話を友達と登下校の時間に話しました。
だから、もっと身近で、損得をもっと教えてくれるというか理解できれば、もっと若い人たちは政治に興味を持つんじゃないかなと。

原田 さん
日本の中では若者と政治を身近にする仕組みが全然できていないと思う。
例えばスウェーデンだと政治家が学校に来る。日本だって学校にどんどん行っていいわけだし、今実際に僕らも動いていて、学校に政治家を呼んできて、生徒の中で話してもらうということを徐々にやっているんです。
そういうものがもっとあれば、近くなるのかもしれない。

視聴者の声

秋田県・30代・男性
「選挙権の引き下げには賛成だが、高校の学校内で偏った思想・信条を指導者たる先生に誘導されないか懸念が残る。」

村松 さん

私が受けた中学・高校の社会の授業は暗記科目でした。
だから、先ほどのドイツみたいに話し合う時間を作ってくれれば、先生が引っ張るのではなくて、自分たちが引っ張れると思うんですよ。
私たちは分かっていないから、例えば先生が偏った思想を言ったらそれを信じてしまうかもしれないけれど、話し合う場所をしっかり設けてくれたら1人1人考えはあるので、そういう場を高校でも作ってほしいなと。
授業を変えるのはいいんじゃないかと思います。

タベア さん
暗記するよりもっと楽しいです。
そういうきっかけを作ると皆さんの関心も高まるし、自分の意見を言うのが怖くない。
決して政治はタブーじゃないという価値観になると思います。

徳永 アナウンサー
ドイツは先生がちょうど意見の真ん中を取ってくれるそうなんです。

タベア さん
そうです。だから偏らないし、若いころからいろいろな政治家の政策を知ると、大人になって誘導されないと思います。

原田 さん
学校の中で先生が偏ったことを言ったらどうするんだということで、子どもに政治のことを何も伝えないのは、学校から卒業して社会の荒波に放り込まれた時に、何も考える機会やきっかけを持たないまま学校から子どもを外に出しちゃうんですかという変な話なので、やっぱり学校の中においていろんな議論をするやり方とか、どうやって自分の意見を持つかとかを、もっと議論されなきゃいけないと思います。

小野 アナウンサー
先生が中立を取るというのは、普通に考えたら当たり前のことじゃありませんか。
でも、それがそうならないのではないかと勝手におびえてやってこなかったような気がするんですけど、それはなぜなんですか?なぜ日本ではこんなに政治の話をオープンにすることがはばかられてきたんですか?

クリストフ さん
スイスにもそういう恐れがあって、先生が中立ではなかった場合もありました。
でも、そういう場合に学生たちが気づいて、結局その先生はクビになったんですけど。

小野 アナウンサー
そういうこともあると?

岡澤 さん
政治ですから。

安達 解説委員
ただ、そこがまた難しいところなんですが、そうやってクビにする例を作ってしまうと、また今度は政治教育がやりにくくなってしまったりする。
だから、1つは、学校の先生は生徒が言う意見を握りつぶさないというか、上から圧力かけてたたきつぶさないで自由に話してもらうとか、あと1つは、安保などはまさにそうですけども、賛成と反対の意見が大きく分かれる場合は、両方の意見を紹介してみんなに判断してもらうという"原則"のようなものが本当はあるといいんですよね。

小野寺 さん
高校生だけじゃなくて20代、大学生もよく分かっていない面があると思うので、中高生向けの主権者教育を、大学の教養科目などで、政治、選挙に関心を持つような機会を作ってもいいんじゃないかな。

原田 さん
まさに全大学生が投票に行ける時代になるわけなので、大学の中で政治をどう教えるかとか、あるいは、例えば地方から東京など別のところに来た人たちに、大学のある町のことをどうやって知ってもらうかということは少しずつ増えてきているんで、そういうものももっと変わっていくと思います。

視聴者の声

「偏っていない話なんかない。いろんな話を聞くしかない。みんな違っていることが民主主義だ。」

タベア さん
反対の意見を聞くと、すごく参考になるんじゃないですか。
今まで知らなかった視点から話を見ることができますので、それはすごくいいと思います。
私がこの間友達と話したら、「選挙って面倒くさい」という意見を聞いたんですけれども、本当に分からなかったです。
だって、選挙って本当に楽しいですよ。試合として思えばいいんじゃないですか。
応援しているチームがいて、その人のために投票すればいいかなと思う。

小野 アナウンサー
ただ、うかつに政治の話に入っていくとえらいことになる話題だと思ってしまっているんですよね。

岡澤 さん
小中高大と授業がどうしてもワンウェイ型の講義がずっと多いものですから、もう少し対話型の授業が多くなるといいなという気はします。
私も若いころスウェーデンにいたのですが、自分の意見を言うのは当たり前で、それを訓練されるし、教師と学生、学生と学生が対話で授業をして、世の中は違う価値観が共存しているから楽しいんだという文化を小さい時から勉強していくんですね。
ところが、日本の場合はどういうわけか全人格をかけないと議論できないというようになってしまって、オールオアナッシングの議論になるから、負けると人格がちょっと、と。もっと言葉のゲームなんだというふうにして。
そして、日本のやり方の満場一致スタイルとか、三役一任型という、少数意見を封じて効率的に組織を運営するために、「じゃあ分かりました、三役一任でお願いします、異論はありませんね、じゃあ満場一致で」というかたちで、小さな意見が出にくい討議カルチャーがありすぎる。
少数意見だから貴重だし、少数意見だから未来を暗示しているかもしれないのに、それを満場一致主義で封鎖させてしまうと、おいしい未来の果実を損なっているわけです。
私は18歳、19歳の人たちという未来のおいしい政策の芽生えを、既存の政治家が無にしたらだめだなという気がします。

小野 アナウンサー
この人たちは、希望の種なんだ。

黒川 さん
日本人は自分の意見を外に出しにくいということをおっしゃいましたけど、でも、それはただ単に日本人が政治に対して興味がないだけで、それって悪いことなのかなと思うんですけど。

古市 さん
これまではよかったと思うんです。任せておけばある程度うまくいった。
でも、これから日本は間違いなく絶対に貧乏になっていく。少子高齢化が深刻になっていくから、絶対貧乏になっていく。苦しくなっていく国で、任せっぱなしで本当にいいのかなと。
今たぶん転換点にあると思うんですね。そこで、どっちにつくかですよね。
放っておいて、「別にいいや」と言って、皆さんが30年後に若い世代から「なんでこうしちゃったんだ?」と責められるのか、それとも、胸を張って「こうしてきたんだ」と言えるというのは、もちろん選択ですけれど、30年後を考えたほうがたぶんいいのかなという。

安達 解説委員
被災地などは、本当に政治家に任せていられないよね?

小野寺 さん
そうですね。本当に身近で、自分自身が、若い世代が復興の担い手だと自覚している面もあるので、本当に自分自身が参加して、主体的に参加していく必要がある。

古市 さん
話がちょっと違ってしまいますけど、今は別に政治家にならなくても、政治に関してできることはたくさんあると思うんです。
社会起業家になってもいいし、NPOを起こしてもいいし、自分で何かしてもいい。
ただ、選挙というのは、そういうあらゆる政治に関わる活動の中で、いちばんハードルが低い1歩だと思うんです。
だから、別にほかの面倒くさいことをやりたくないという人ほど、逆に選挙にさえ行っておけばエクスキューズになるから、言い訳がわりに行くというのもありかもしれないですね。

小野 アナウンサー
ここまでの議論を聞いて、アマンダさんはどうですか?

アマンダ さん
日本の学校で政治についてあまり習っていないのは、ちょっと残念だと思います。議論のやり方とか。

小野 アナウンサー
そうか。やってみたらおもしろいし、もっとやったらいいのに、と思っていらっしゃるんですね。

石神 さん
皆さんの話を聞いていたら、楽しそうだなと思いました。
全然、政治とか分からんし、難しいし、と思っていたんですけど、やってみたいなと思いました。

黒川 さん
ここにいる方々は結構、政治に関心が高かったり、意識高い人が多いじゃないですか。
大多数はそうではない人だと僕は思うんです。
だって、クラスメートと政治の話をしないのはクラスメートが政治に関心がないからだと思っていて。

小野 アナウンサー
そういう関心のない人と、どう政治の話したらいいかということですか?

黒川 さん
そうではなくて、そういう人にわざわざ政治の話をしようと持ちかけるのも、それは迷惑な話だなと思って。

徳永 アナウンサー
「黒川君、俺に似ている」というツイートが来ています。

原田 さん
考えていただきたいのは、一見政治の話をしないだけかもしれなくて、実は政治の話をしたがっている人は周りにいるかもしれないし、僕もこうやって若者と政治をつなぐ活動を大学生のころからずっとやっていると、「あいつ政治の話、やっぱり興味あったんだ」ということが出てくるので、興味のある人が話を少しずつすることによって、実は言いたいけど言えていない人も掘り起こせる可能性がある。
無理やり関心を持ってもらう必要はないけど、関心を持っているけど言えないという人は世の中にいっぱいいるので、そういう人たちに何か火をつけてもらえれば。

クリストフ さん
たぶん周りにも政治について関心がある人は意外と多いと思うんですけど、何か言ったらおかしい人だと思われるかもしれないので、ちょっと怖がっているんじゃないですか?

小野 アナウンサー
黒川さんは政治の話をしたいですか?

黒川 さん
しません、興味ないので。

古市 さん
でも、"自分たちで世界を変える"とか"社会を変える"とかっていうマンガなどが好きだったりするじゃないですか。それと政治ってやっぱり違うんですかね?

黒川 さん
いや、別にそんな好きでもないです。

野田 さん
私は政治に興味はあるんですけど、そういう話を日常ですると友達にどう思われるんだろうと話をしないようにしちゃう部分はあったので、今回これだけ18歳に選挙権が与えられるということで話題になってるので、これを利用してもっと話せたらいいなと思いました。

中山 アナウンサー
家の中でもしゃべれないということを言っている若者は多かったですよ。

小野 アナウンサー
もしかして大人が受けて立つことができないからかな?

村松 さん
普通に話してほしいなと。
学校でも家でも、日本では真面目ぶってるじゃないけど、特殊な感じに見られちゃうので、難しいことじゃなくて、もっと気軽に、税金とか身近なところからもっともっとしゃべれる場がほしいし、自分たちからもしゃべらないとなと。

小野寺 さん
20代の若者の投票率が低いというのはデータでも明らかなので、自分の投じた1票が自分にどう返ってくるのか、どう影響するのかを知らないといけないのかな。

小野 アナウンサー
それに、どの法案にどう賛成した人なのかとか、1つ1つ分かりたいですよね。

徳永 アナウンサー
みんなを応援するツイートが多くて、「若者、頑張れ。若いうちに」と来ています。

小野 アナウンサー
若いうちに頑張れ、そうか。皆さん、どうもありがとうございました。

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