京都 鴨川(再) 6月17日(金)

千年の都・京都の鴨川は、決して歴史上の川ではなく、今も生きている川だ。流域には、江戸時代から“京野菜”を作り続けている農家があり、遡上してくる鮎を客に出す料亭がある。上流部には、下流に住む人への影響を考えながら大切に水を使っている人たちがいて、オオサンショウウオも棲んでいる。葵祭では今も清めの水として使われ、文化の継承者としても現役。様々な表情を見せる鴨川の姿と、鴨川を愛し共に暮らす人々を見つめる。

筑豊 6月24日(金)

福岡県の中央に位置する筑豊。江戸時代から石炭の産地として知られ、明治以降、中小規模の炭鉱がひしめくように掘られた。最盛期には国内出炭高の50%を担い、日本の近代化を、地の底から支えた。
いまも残る「ボタ山」は、炭鉱の産業廃棄物を積み上げてできた山。そのふもとに暮らす人びとは、炭鉱住宅での日々を懐かしげに振り返る。そもそも「筑豊」という呼び名は、明治初期に石炭関連業者の団体名として使われたのが最初で、石炭とともに歩んできたその風土を現している。
筑豊の人びとの気質を表わす言葉がある。「川筋かたぎ」。川筋の川は、筑豊を流れる遠賀川。かつては石炭輸送の大動脈だった。荒っぽいが、底抜けに明るく、明日を憂うことなく、情に生きる。そんな「川筋かたぎ」は、死と隣り合わせにある炭鉱で育まれた。
筑豊は、ボタ山の風景はもちろん、川にも、商店街にも、歌にも、劇場にも、祭りにも、炭鉱で働いてきた人々の心が生きている。石炭産業の盛衰とともにあった筑豊の光と影を描く。

奥の細道(再) 7月1日(金)

松尾芭蕉が記した紀行文集の集大成「奥の細道」は、今も東北を語る上で欠かせない旅のバイブルのひとつ。
1689年。弟子の河合曾良を伴い、老体に鞭をうって約150日間に渡り東北・北陸を旅した芭蕉。美しい自然や文化・風土に出会い、辿り着いた境地は「不易流行」。変わっていくものと変わらないものは不即不離の関係にある、という考えだ。
東日本大震災で、甚大な被害を受けた東北にも、変わったもの、そして320年の時を越え今もなお変わらないものが共存している。
江戸時代の「田植え唄」を歌い継ぐ須賀川の農婦たち。津波で多くの人と街を失った石巻の地で出される「鎮魂の御輿」。芭蕉が愛でた紅の花が夏を彩る「尾花沢」。芭蕉の句に心揺さぶられた男性が、奥の細道を追体験する「馬旅」。嵐の中、亡くなった人を思い、死と再生の祈りを捧げる人が集まる霊山「月山」。
老いと死を覚悟しつつも過酷な旅に挑み、傑作を誕生させた芭蕉。「奥の細道」を道しるべに、今再び、東北の魅力を再発見する。

「新日本風土記セレクション」(木)午後11:45 BSプレミアム

6月 2日 花園
   9日 鳥取 大山
  16日 沖縄 国際通り
  23日 廃墟
  30日 日光