関門海峡(再) 3月17日(金)

日本海と瀬戸内海、そして太平洋を繋ぐ海「関門海峡」は、川のように速い潮が流れる中を無数の大型船が行き交う、日本有数の海上交通の要衝です。壇ノ浦の戦いや巌流島の戦い、日清戦争講和など、多くの歴史の舞台ともなってきました。
その激しい流れを望む両岸にあるのが、全く異なる表情を持つ二つの街、「下関」と「門司」。ふぐの水揚げ日本一で、戦後は捕鯨拠点としても栄えた漁業の街・下関は、大陸からの人々を迎える日本の玄関口としても、室町時代から賑わってきました。一方の門司は、石炭の輸出などで近代以降に発展した貿易港。街には、当時の面影を残すレトロな建物や、かつて外国人の船乗りたちが酒をあおった「角打ち」が点在し、今も愛されています。
人々はこの二つの街を、大型船の間を縫って進む渡船や、海底を歩いて渡る世界でも珍しいトンネルで気軽に行き来し、暮らしています。それぞれの歴史と個性を持ちながら、まるで海峡を挟んだ一つの街でもあるような、そんな二つの街と海峡の物語です。

<オムニバス項目(抜粋)>
●海の管制塔・・・
  狭い海峡を次々に大型船が行き交う朝。安全を守る管制官たちに緊張が走る
●平家鎮魂の漁師・・・
  壇ノ浦で敗れた平家の末裔が続ける、海峡の漁。海に沈んだ帝への思い
●レトロに魅せられて・・・
  門司に残る多くのレトロ建築。今も使い続ける人たちの愛着の理由
●海底で繋がる二つの街・・・
  世界でも珍しい海底の「人道トンネル」。海の下は馴染みの生活道路
●下関の誇りを守る女将・・・
  戦後の下関復興を支え、日本の食を支えた鯨。その誇りを守る決意
●歌声は海を越えて・・・
  海峡を挟んで歌う合唱団。海を越えたハーモニーを目指す思いとは

花紀行 3月24日(金)

南北に長い日本列島。そこには季節の移り変わりと共に花と暮らす人々がいる。
1月、日本一早い桜が沖縄で咲く頃、寒風吹きすさぶ群馬では、かつての農地を満開の蝋梅(ろうばい)の花が飾る。地元の農家たちが耕作放棄地を借り上げ、一本一本植えながら面積を広げてきた。相模湾を臨む神奈川県二宮町の吾妻山公園で富士山を背景に菜の花が満開となるのは2月。何もなかった公園の斜面を見事な菜の花畑に変えたのは、50歳を過ぎてから造園の仕事を始めた長谷川芳男さん(85)。北海道にも花に魅せられた人がいる。帯広市の紫竹昭葉(しちく・あきは)さん(89)。63歳の時、夫を失った悲しみを乗り越えるため、思い立って十勝の広大な大地に草花を植え始めた。
「花」を慈しみ、「花」に生かされ、「花」を通じて結ばれてきた人々。その営みの物語を日本各地にたどっていく。

北越冬物語 3月31日(金)

新潟県内陸部に位置する魚沼地域。日本海からの湿った風が山々にぶつかり大量の雪を降らせる日本屈指の豪雪地帯だ。人々は、古よりこの抗いがたい自然の中で懸命に命をつないできた。雪で農業ができなければ、田に積もった雪に反物をさらして漂白し冬場の現金収入に。昭和50年代まで陸の孤島だった山奥の集落では、秋田マタギの教えを継ぐ男たちが今も雪上の足跡を手がかりに動物を追う。外に出ることもままならない単調な暮らしの中、雪国ならではの娯楽も発達した。東京で行われる大相撲初場所の勝敗を予測して町民同士が2週間競い合う「疑似相撲」や、身近な雪かきの道具を羽子板代わりにして遊ぶ雪上羽根突きは、辛苦の季節に互いの顔をつきあわせて励まし合い乗り越えようとする心意気に満ちている。雪を疎みながらも、受け入れ、利用し、愛して生きてきた雪国人の力強さを描く。

「新日本風土記セレクション」(木)午後11:45 BSプレミアム

3月 9日「新潟 山古志」
3月16日「熱海」
3月23日「四天王寺」
3月30日「船橋」