「最果ての道」と「もう一つの光の道」。
今回のテーマ、「道」を担当した田代です。
番組は、これまで撮りためたものの中からセレクトしたエピソードに加え、2つの新しいエピソードを加えました。冒頭に出てくる、稚内の国道40号線とラストの福岡県福津市、宮地嶽神社の光の道です。
取材にご協力いただきました皆様、大変にお世話になりました。ありがとうございました。
撮影は1月中旬、稚内からスタートしました。
羽田から稚内まで直通の飛行機は一日一便。ANAの10時45分発です。(直通はこれ以外ありません。)稚内の上空などは気流が刻々と変わるらしく欠航も多いとのこと。行かれる方は、こまめにフライト情報のチェックをお勧めします。稚内市内は空港から車で30分ほど。タクシーだと5000円ぐらいです。
最北の町、稚内。マイナス10度から20度の世界。ほとんど人が歩いていません。日本海からの風が強く、空気が乾燥しているせいもあって、呼吸が大変。(慣れるまでですが)
下の写真が今回取材した、国道40号線です。
上の写真を撮ったのは、JR稚内駅のすぐ近く。国道40号線のほぼ起点です。ここから旭川まで250キロ、北海道北部の唯一の幹線道路として、稚内とその周辺に暮らす人々を支えてきた道です。
車が並んでいるのは、40号線の旭川に向かう車線です。話を聞いてみると「毎日60キロ、この道を走って買い物に来る」「この40号線がなければ、とてもここで生活できない」「ここが止まったら、学校へも病院へも行けなくなる」。
一つの道がどれほど多くの人の暮らしを支えているのか、今回はしみじみ考えました。食べるもの、着るもの、楽しみ、そして、人が移動する道。時には物を運ぶだけではなく、人生を振り返るきっかけになったりもする道とは・・・。
さて、この40号線にロケ隊も助けられました。1月31日から数日、低気圧で飛行機が欠航するという知らせがありました。次のロケ地福岡県福津市でのロケが迫っていたので、稚内から高速バスで札幌に移動。新千歳空港へむかいました。イヤーすごいですね。吹雪の中もここだけは止まらないといった感じでした。地区ごとに行き届いた除雪が行われていました。
おかげで、スケジュールに支障なく次のロケ地、福岡県福津市の宮地嶽神社に向かうことができました。
宮地嶽神社は、年間の参拝者数が300万人ほど。太宰府天満宮に次いで九州では人気の神社です。商売繁盛の神様として北九州の経営者の皆さんに絶大な人気があるのだとか。
ここにお邪魔したのは、「光の道」を取材するためです。「光の道」とは、まっすぐな参道と夕日が重なり、道が光り輝く絶景のこと。人気アイドル「嵐」の3年前のCMで一躍有名になりました。
今年は2月23日が真上に来るといわれていましたが、下の写真は、その日の夕日です。しかし、この直後、薄雲がかかり光の道は、とうとう現れることはありませんでした。残念。
ちなみに光の道を観覧できる石段の400席ほどが無料。17時に石段が解放されるまで、早い人でその日の朝10頃から並んで待っているようです。(整理券が配られて400人で打ち止め・事故がないようにするためだそうです)
この席のほかに有料の席が100席ほど。石段の上のほうです。最上段にはパイプ椅子がおかれています。この席は神社の祈祷料と合わせて5000円です。地方からおいでになる方に人気だそうです。予約の窓口は神社です。(☎0940-52-0016)
しかし、「光の道」は、なかなか見ることができないといいます。晴れていても、最後の最後で雲がかかってしまうことがほとんどのようです。実際、上の写真の後、雲がかかり、光の道にはなりませんでした。
さて、残念がっていたところ、地元の人からもう一つの光の道があること教えられました。それは、参道の先にある、宮地浜の砂浜。そこから眺める夕日です。
写真を撮ったのは、翌日の夕方です。
玄界灘からはるか大陸へと続いているような想いをかきたてる夕日、ここなら一年中見られます。(お天気さえ良ければ)
近くにお越しの際は、ぜひ。お勧めです。
投稿時間:11:00 | カテゴリ:ディレクターおすすめスポット | 固定リンク