2018年03月20日 (火)

落ちて、根を張れば、花が咲く町。

你好(ニイハオ)!

「横浜中華街」を先輩と一緒に担当しました、中国出身の房満満(ぼうまんまん)と申します。

まずは、取材させて頂いた皆さん、本当にありがとうございました!

中国人でありながら、今回の番組を担当するまで中華街に行ったことがあるのは一度だけ——十年前、母と初めて日本を訪れた時でした。エビチリ、天津飯、焼き餃子とご飯のセット…日本ではメジャーな中華料理が、中国では食べたことのない料理だったので驚きました!この街に、本場の“チャイナ”とは違う不思議な印象をもったのを覚えています。

でも、今回、中華街で暮らす方々を取材させて頂く中、中華料理の味が違っても、中華街は日本の中の中国だと強く思いました。老華僑も新華僑も、中国にルーツを持つ人々は中華街で居場所を見つけ、この街に夢を託していると感じたからです。中国東北部のおじさんたちの世間話が飛び合い、ロケ中でも故郷がとても恋しくなり、中華街がとても好きになりました。

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番組で紹介した食べ放題の店の経営者・加藤強(中国名:林小強)さんは、中華街で人生を切り開いた一人です。福建省の貧しい農村で生まれ育ち、9年前、両親が出稼ぎで稼いだお金を持ち、日本にやってきました。皿洗い、接客、レジ、中華料理店のアルバイトで貯めたお金で一年前、ようやく自分の店を開くことが出来ました。次の目標は、中華街大通りで店を持つことだそうです。加藤さんの決意に、中華街の“人々を惹き付ける力”を改めて感じました。

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そして、ロケの終盤で迎えた春節。私の生まれ故郷では獅子舞はやらないので、初めて目の前で見る獅子舞はとても迫力に満ちて、圧倒されました。獅子、提灯、中国の伝統舞踊や楽器、「ぎゅっと凝縮された」春節の風景が広がりました。しかし、そんな華やかな舞台の影には、春節なのに帰省できない中国人たちの思いがありました。

shishitokankoukyaku.jpg番組の最後で紹介しました、お茶屋で水餃子を作る張同義さん(中国遼寧省出身)もその一人。張さんの人生が詰まった水餃子、ぜひ、味わってみては如何でしょうか。

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今回の取材で発見した「穴場」はやはり、ロックンローラー・李世福さんのアトリエです。中華街の端っこにある小さなライブハウスですが、毎週金曜日と土曜日の夜にライブが開かれ、李さんの「チャイニーズロック」で盛り上がります。もしギターがお好きでしたら、エレキギターから中国っぽい旋律が流れてくる時、なかなか感動するかもしれません。ちなみに、李さんライブのもう一つの楽しみは、番組でも紹介しました、「天龍菜館」の出前料理が食べられることです。実は、「天龍菜館」と李さんのアトリエはご近所さんで、店長の茹さんがいつも自慢の広東料理を運んでくれます。

lisannolive.jpg祖国を離れて生きる人々の無数の人生が凝縮された小さな街。次に中華街を訪れるときは、天津甘栗を一生懸命売っているお兄さんや、たどたどしい日本語で接客するお姉さんの人生を想像しながら歩いてみてはいかがでしょうか。観光地だけではない中華街の意外な顔を発見できるかもしれません。

 

投稿時間:11:00


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