2017年10月10日 (火)

大自然だけじゃない!もっとディープな『要塞』対馬!

対馬の回を担当した武井と申します。
番組をご覧いただいた皆さま、
取材にご協力頂いた皆さま、本当に有難うございました。

日本本土と朝鮮半島の狭間に位置する対馬。
その特別な環境は、古来、島で暮らす人々の生活を形作ってきました。
取材をしていて、その節々に国境の島を感じることができました。

今回ご紹介したいのは、番組でも触れた島に残る砲台跡です。
明治期にはロシアとの戦争、昭和になると海峡防備のため、対馬には沢山の砲台や堡塁が築かれました。その数、31か所。
迫力満点、歴史好きや廃墟好きにたまらない砲台跡。中でもとびきりのオススメをご案内させて頂きます。

一つ目は「姫神山砲台跡」

t1.pngt2.png明治期に建てられた対馬の砲台の中でも、最大規模を誇るこちら。

姫神山砲台跡は、明治33年2月建設が始まり、その後明治37年1月に6門の28センチ榴弾砲が備え付けられました。
別名「天空の要塞」とも呼ばれ、レンガ積みのレトロな雰囲気を醸し出しています。
その異名の通り、山の上に建造されているため、辿り着くまでは駐車場から徒歩40分と骨が折れます。
それもそのはず、対馬のこうした要塞の多くは軍の主要基地。わざと道路を整備せずに近づき難いようになっているのです。
しかし、登ってみればその景色は圧巻。緑が生い茂る中に突如現れる要塞は、ジブリの世界観そのもの、いつ巨神兵が出てきてもおかしくないような、厳かで美しい空間が広がっています。

t3.png山頂からは対馬海峡も一望できます。

絶景を目の前に、100年前にこの砲台から海を見つめた兵士たちを思い忍ぶのはいかがでしょうか。

続いては「豊砲台跡」

t4.png昭和4年に建造された当時、世界最大の豊砲台。

実践では一度も発射することがなく、「撃たずの砲台」と言われます。
姫神山とは違い砲台入口まで車で行くことができるので、アクセスは容易。更に入口の照明スイッチを押すと照明が30分間点灯するので、砲座・砲具庫・巻揚機室などの内部構造を観察できます。
対馬の砲台跡では最も観光ポイントとして整備が進んでいます。

入り口から奥に進んでいくと、薄暗闇から一気に光が差し込む大きな穴が登場。
ここが砲台が設置されていた場所です。

t5.png今のように建設重機のなかった時代、108トンもの砲台を山の中に運んだことに、ただただ感心します。

戦後はGHQの指導のもと解体された豊砲台。溶かした鉄は戦後の復興資材として利用されたと言います。

いかがでしたでしょうか。
対馬の観光では山や海といった大自然に目が行きがちですが、その他に島に刻まれた砲台跡巡りを、ディープな対馬の楽しみの一つとしてご提案したいと思います。

投稿時間:11:00


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