2017年06月20日 (火)

松本の美味、そして人情

松本を担当しましたディレクターの河合と申します。今回は、信州松本のちょっと遅い春を巡り、その中に秘められている土地の歴史や受け継がれる思いなどをご紹介させて頂きました。番組の取材にご協力頂いた皆様、お忙しい中本当にありがとうございました。

こちらでは、番組で紹介しきれなかった松本の“水の恵み”についてご紹介したいと思います。

盆地になっている松本では、周囲の山からの伏流水と、町のいたるところで出会うことが出来ます。一般のお宅も井戸でくみ上げているところが多いのですが、使い切れない分を家の前で「どなたでもお飲みください」と湯飲みと共に流しっぱなしにしているところもあれば、源智の井戸、鯛萬の井戸など名前のついている有名な水汲み場もあります。

matsumoto1.jpgmatsumoto2.jpg地元の人もみなさんもよく汲みに来られていて、お蕎麦屋さんや喫茶店などでも使われています。こうして街中で見かける井戸や水路は、江戸時代に整備されたもので、ずっと整備しながら大切に今日まで使い続けてきたものだそうです。

matsumoto3.jpgその中でも今回私が特にお勧めしたいのが、女鳥羽の泉です。実は街中にたくさんある水汲みスポットは全て水の味が違います。どの山から来たとか、どの深さを流れているかなどで含まれるものが違うらしく、それぞれの人が自分に合う水を見つけて汲みにやってこられるのですが、「一番美味しい!」と大人気で水を汲む人でいつもにぎわっているのがこの女鳥羽の泉です。水は本当になんのくせもなくさらっといつまでも飲んでいたくなるような、まろやかな水です(ディレクター私見)。 

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matsumoto5.jpgそんなわけで水はもちろん美味しいのですが、もうひとつとっても楽しいのが、水をめぐる町の人の交流です。女鳥羽の泉は、善哉酒造(よいかなしゅぞう)という造り酒屋さんが提供してくれている水場です。こちらではこの水でお酒を作ってらっしゃるのですが、通りに面したガラスの引き戸の向こうではいつも大きなテーブルを囲んでお茶会が開かれています。そして通りすがりだろうが、誰でもその仲間に入れてくださいます。

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matsumoto7.jpg女鳥羽の泉の水で炊いた黒豆ですとか、お漬物ですとか、皆さんが持ち寄る美味しいものを肴にお茶(時にはお酒)を一杯やってらっしゃいます。またここの水で入れたお茶の美味しいこと!ちなみに甘酒も絶品です。酒屋をしてらっしゃるご夫婦はとてもお人柄がよく、お話も上手で、水のことも、町のこともここでお茶を飲んでいれば自然と頭に入ってしまうというすばらしい特典もあります。

松本の町に来られたら、ぜひ水を飲み比べながらのぶらり歩き、そして女鳥羽の泉のお茶会も覗いてみてくださいね!きっと歓迎して下さるはずです。

投稿時間:11:00


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