2014年03月04日 (火)

出羽三山の人情

「出羽三山」を担当した青木です。出羽三山は、古くから続く山岳信仰の霊場として、山形県の文化に計り知れない影響を与えている、非常に大きな存在です。大きすぎて新日本風土記の様な番組でないとなかなか全体像を紹介することが出来ません。この機会に、これまで紹介されてこなかった魅力を発見し、伝えたいと思い、取材に臨みました。

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具体的には「山伏の特殊な世界」として紹介されることが多かった出羽三山に、普通の人たちがどういう思いで祈りを捧げているのか、暮らしの中に息づく信仰に焦点をあてました。取材の過程で感じたのは、信仰への思いもさることながら、宿坊や山小屋、神社など、信仰に関わる人たちの温かい「もてなしの心」でした。江戸時代には全国から年に何万人もの参拝者が訪れた出羽三山。彼らを受け入れる中で、山形の人たちに培われた「もてなしの心」。それこそが、出羽三山が今の山形県に伝えた最も大きな財産ではないかと感じました。

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 今回のおすすめポイントは、これからの季節、4月にオープンする「月山スキー場」です。スキー場というものは冬にオープンするのが普通ですが、月山はあまりの豪雪のため、春から夏にスキーシーズンを迎えます(どれくらいすごい雪かというと、連日、除雪やゲレンデ整備が不可能な降雪があり、高さ11mのリフトの支柱が埋まるほどです)。ちょうど全国のスキー場がシーズンオフになる時期のため、希少な雪を求めて毎年12万人ほどのスキーヤー、ボーダーが訪れます。山の斜面全体を活かした広大なゲレンデや、ブナの間を滑り抜けるバックカントリースキーが人気の、ここでしか味わえない魅力に溢れたスキー場です。

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 このスキー場を支えているのが、かつて出羽三山への参拝者で賑わった、参道沿いの集落の人たち。西川町の志津は今、温泉旅館が立ち並び、スキーヤーの拠点として賑わう観光地ですが、戦前までは信仰を支える宿場町でした。戦後、交通網の変化や参拝者の減少などを受け、集落の存亡をかけて取り組んだのが、月山ならではの豪雪を活かした春夏スキー場の開発。山との関わり方は時代に合わせて変わりましたが、山の魅力を伝えるのは自分たちだという気概が、志津の人たちには溢れています。各旅館の名物は、地元の山菜を活かした料理。かつて参拝者に提供した精進料理の伝統を受け継いでいます。そしてもちろん、信仰の歴史に培われた「もてなしの心」も健在です。

 皆様も是非一度、うららかな春の日差しに包まれてスキーを楽しみながら、出羽三山の食と人情の魅力に触れてみてください。

追伸:明日(水)の朝8時から、また、8(土)の朝6時から再放送があります。どうぞ、ご覧下さい!

投稿時間:16:07


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