阿蘇の草原を感じるには
「阿蘇」を担当した川手です。
この春~夏、ロケで、取材で、ずっと阿蘇の草原を走り回っていました。
室内作業の続いた秋。無事に放送を迎えられた今、阿蘇のさわやかな草原を、ちょっと懐かしく思い出しています。
熊本市から車で1時間半走っただけなのに、雰囲気の全く違う阿蘇。ここは日本なのかと疑いたくなるような景色が広がります。その大きな要因が、日本最大級の広々とした草原。この草原、何がすごいって、地元の方の手によって維持されているということ!毎年大変な労力を払って野を焼き、草原を守っていかれる様子には頭が下がります。
そんな草原を、より身近に感じるには、どうしたらいいのか?
私のお勧めの方法をご紹介します。
●何より、まず、ドライブ!
阿蘇を訪れるなら、車かバイクが多いかと思います。せっかくなら、ぜひ、下記の道を走ってみてください。阿蘇の良さを体感できます。
外輪山の上、とにかく広々とした草原をつきぬける道、その名も「ミルクロード」。適度なアップダウンとカーブで、草原を吹き抜ける阿蘇の風を感じる事ができます。阿蘇は実は全国からバイク乗り達が集まる、「バイク乗りの聖地」。この道を走れば、納得です。
もしくは、「阿蘇パノラマライン」と呼ばれる、「阿蘇登山道路」。阿蘇市内から阿蘇山へと登る道です。牛や馬が草を食む様子を眺めることができます。道のわきには、「牛馬優先」の看板が!
特にお勧めは、この道を下る事。目線の高さに外輪山、眼下には阿蘇の町の大パノラマが楽しめます。
●野焼きに参加してみる
草原についてもっと深く知りたかったら、野焼きへの参加をお勧めします。
年に一度、古い枯れ草を焼き払い、灌木が生えるのを防ぎ、新しい草を生やすために行われる野焼き。1000年以上もの歴史を持つ野焼きに、阿蘇では、ボランティアとして参加する事ができるんです。
もちろん、野焼きのメインを担うのは、土地や気候を知り尽くした地元の方々。ボランティア参加者ができるのは、その補助としての作業になります。事前の講習会(机上と、実地)への参加も必須です。
実は阿蘇では、草原の維持が難しくなってきている現実があります。高齢化や農家の減少などから、野焼きに参加できる地元の方が減ってきているのです。人手不足などで野焼きができなくなった草原は、数年のうちに灌木が生い茂り、森になっていきます。阿蘇の野焼きは、県内外のボランティアの方によって支えられている部分も大きいんです。
何より、草原の中に分け入り、間近で見る野焼きの炎は、圧巻の一言。
ぜひ一度、体験してみてください。
ボランティアの受け入れや、講習会を主催されているのが、「公益財団法人阿蘇グリーンストック」。年末になると、講習会等の予定がHP等に掲載されます。
●赤牛を食べてみる
最後に、最も手軽(?)でお勧めな、草原の感じ方を。
赤牛です。おいしいです。
つぶらな瞳に、長いまつげ・・・阿蘇特産の赤牛って、本当に可愛いんです。「赤牛ってかわいい!」とか言いながら取材をすませた後。でも、お昼には、ちょっとフンパツしてあか牛の牛丼を、「赤牛っておいしい!」なんて言いながら、ぱくついていたりして・・・ゲンキンなものですね。
でも、本当においしいんです。
お肉の赤身がウリのあか牛。脂肪の入り方が少ないために、市場で売られる際、お肉のランクとしてはなかなか高くはなりにくいそうですが、その赤味の美味しさは、味付けをしなくても、食べられてしまうほど。お値段はちょっと高めの事が多いですが、その価値は大アリです。
熊本県の畜産農業協同組合のHP等で、取扱店を探すことができます。インターネット販売もされているそうです。
*明日の朝、「新日本風土記 阿蘇」の再放送がありますので、是非ご覧下さい!
投稿時間:17:40