2012年10月01日 (月)

「日光」を見ずして 結構と言うなかれ

「日光」を担当しました児島です。時代を越えて愛され続ける聖地の物語、楽しんでいただけたでしょうか。

年間600万人が訪れ、修学旅行でもお馴染みの日光。私も小学校6年生で行きましたが、何を見たかほとんど覚えていません。けれども、大人になってから改めて訪ねると、日光の奥深い魅力に初めて気づくことができて、新鮮でした。世界遺産にも登録された社寺建築の美しさ、山々と水に抱かれ四季折々の表情を見せる自然、歴史の歩みや伝統文化の技を今に伝える人々の暮らし・・・。ちょっと足を運んでみれば、様々な出会いと発見がありました。

まずは、男体山。

標高2486メートル。日光のシンボルで、栃木県内からは美しいその姿を遠くからでも観ることができます。

 nantaisan.jpg

日光の歴史は、男体山が山岳信仰の聖地とされたときから始まりました。今から1230年前、奈良時代のことです。男体山には、5月5日から10月25日までの間、登ることが出来ます。中禅寺湖畔の二荒山神社中宮祠の奥に登山道があります。森林や岩場を抜けて、およそ3時間半から4時間で頂上の奥宮に到着します。眼下の中禅寺湖や、遥か富士山まで見渡す山々の絶景が楽しめます。8月1日から7日の「男体山登拝祭」の間は、夜間の登山が許されるため、山頂でご来光も見ることができます。

 

そして、旧イタリア大使館別荘。

中禅寺湖畔で平成9年までイタリア大使の別荘として使われていた建物で、現在は公園として一般公開されています。

italy.jpg

昭和3年、アメリカ人建築家の設計による建物は、モダンなデザインですが、地元の杉の皮を壁や内装にふんだんに取り入れ、落ち着いた味わいを演出しています。明治から大正、昭和初期にかけて、日光は外国人たちに愛される避暑地として大きく発展しました。中禅寺湖畔には、各国大使たちの別荘が立ち並び、夏には家族でバカンスに訪れ、ヨットや釣りを楽しんだといいます。建物には、華やかな時代の息吹とそれを受け入れた地元の人々の思い出が刻まれています。

 

youmeimon.jpg

 

「日光を見ずして 結構と言うなかれ」 とまで讃えられた、日光東照宮。

中でも、国宝の陽明門は500を越える見事な彫刻で飾られています。

 

江戸時代の美の精華を堪能することはもちろんですが、日光には、それ〈以前〉の「山岳信仰の聖地」としての歴史、それ〈以後〉の「外国人に愛された避暑地」としての歴史まで考え合わせると、より味わい深くなると思います。

 

紅葉は、10月初旬に奥日光から始まります。

どうぞ、みなさんも魅惑の日光を訪ねてみてください。

投稿時間:14:09


カテゴリー

新着記事

ブログ内検索

 

カレンダー

2019年04月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        

バックナンバー


RSS

page top