奥の細道の旅
「奥の細道」を担当した安永です。320年の時を越え再び繰り広げられた松尾芭蕉の旅、いかがでしたか?今回、芭蕉が訪ね歩いた地を数多く巡りましたが、各地で「奥の細道の取材なんです」と言うと、「ああ、そうなの!ここで芭蕉は〇〇という句を残して、〇〇したのよね!」と自ら楽しそうに語ってくれる地元の方々に数多く出会いました。芭蕉が東北の人たちにどれだけ愛されているか、物語っていますよね。
そんな私のオススメポイントは、「尾花沢」のクリップで取り上げた、「紅花畑」です。芭蕉は、紅花を化粧道具のまゆはきに見立て、「まゆはきを俤(おもかげ)にして紅粉(べに)の花」という句を詠みました。今回、撮影でお邪魔した紅花畑があるのは、山形県西置賜郡の白鷹町(しらたかまち)。7月には町をあげて「白鷹紅花まつり」というイベントを行うほど、山形県を代表する紅花の産地として知られています。7月。我々が出会ったのは、「息をのむ絶景」と言うにふさわしい、満開の紅花畑でした。
鮮やかな色を放つ風景に、ただただ酔いしれた我々撮影スタッフ。思わず仕事を忘れてしまうほどでした。しかし時刻は夕どき。日が落ちてしまっては遅いので、すぐさま撮影に。撮影ポイントを見定めるため、何度も畑の中へ入った私。そこへ待ち受けていたのは「激痛」。そう、紅花はトゲが鋭いんです。30度を超える気候の中、半袖半ズボンで撮影に臨んでいた私は、その痛みに慣れるまで時間がかかりました。。そして翌朝、日の出の時間に再び紅花畑を訪れると、そこに現れたのは地元の主婦の皆様。何と皆さん、痛がるそぶりも見せずに紅花を摘み取っていきます。実は紅花は、露に濡れて柔らかい朝のうちに摘み取るのがコツなんだそうです。しかも咲いて4日を過ぎると色が変わるので、日の出から一家総出で収穫にあたります。山形の皆さん、朝から元気ですね…。
山形県の紅花は、7月が最盛期です。皆さんも是非来年、素晴らしい風景を求めて山形へ出かけてみてはいかがですか?(摘み取りの際は、ぜひ十分なご準備を…。)
投稿時間:11:06