2009年12月21日 (月)曲目、ソリストなど、聴きどころたっぷりの1月定期 山田治生


■19世紀・20世紀の作品を交えての
「ニュー・イヤー・コンサート」~ Aプロ

201001-nkyo1.jpg2010年の幕開けは、シュトラウスの音楽による「ニュー・イヤー・コンサート」。シュトラウスといっても、ウィーンのシュトラウス・ファミリーに、ドイツのリヒャルト・シュトラウスを加えるところが、幅広いレパートリーを持つローレンス・フォスターらしい。
ヨハン・シュトラウスⅡ世の《こうもり》序曲、《常動曲》《アンネン・ポルカ》《皇帝円舞曲》は「ニュー・イヤー・コンサート」の定番だが、ヨーゼフ・シュトラウスの《天体の音楽》も、カラヤン、カルロス・クライバー、そして最近ではバレンボイムがウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の「ニュー・イヤー・コンサート」で取り上げた、正真正銘の名曲である。
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リヒャルト・シュトラウスの《ブルレスケ》は、ピアノ・ソロの入る、諧謔味のきいた作品。若林顕が面白く聴かせてくれるだろう。そして最後は《ばらの騎士》組曲。
聴きどころはやはり「ワルツ」。19世紀のシュトラウス・ファミリーのワルツだけでなく、20世紀のR.シュトラウスのワルツを交えての「ニュー・イヤー・コンサート」はとても華やいだものとなるに違いない。
もちろん、1980年代半ばからしばしば(前回は2007年5月)NHK交響楽団に客演している名匠フォスターの巧みな棒さばきにも期待したい。



■欧米で年末の風物詩となっているバレエ《くるみ割り人形》~ Cプロ
201001-nkyo3.jpg欧米の大都市ではバレエ《くるみ割り人形》が年末の風物詩となっている。物語の設定がクリスマス・イヴだからだろう。そんな《くるみ割り人形》から、マエストロ・フォスターは第2幕を取り上げる。このバレエ曲の見どころ(聴きどころ)が詰まっているからにほかならない。
《くるみ割り人形》の第2幕、お菓子の国のパーティーでは、「スペインの踊り」、「アラビアの踊り」、「中国の踊り」、「トレパーク」、「あし笛の踊り」、「花のワルツ」などなど、の踊りが繰り広げられる。まるでガラ公演のような華やかさだ。
前半のチャイコフスキーの《ピアノ協奏曲第1番》では清水和音がソロを務める。名曲中の名曲で清水がどんな進境を披露するのだろうか。女性ピアニストが話題の中心となりがちな昨今、清水やAプロの若林ら、日本の中堅男性ピアニストの活躍にも注目したい。
民族色の濃い《スラヴ行進曲》を含めて、とても楽しみなオール・チャイコフスキー・プログラムである。

■広上淳一の約4年ぶりのN響定期への登場に期待~ Bプロ
201001-nkyo4.jpgBプロは2005年12月のハイドンの《天地創造》や2003年11月のマーラーの交響曲《大地の歌》の名演が記憶に生々しい、広上淳一の約4年ぶりのN響定期への登場である。広上は京都市交響楽団の常任指揮者を務めるなど、ますます充実した音楽活動をしている。今回、メインで取り上げるのは、プロコフィエフの《交響曲第7番》。
近年、なぜかプロコフィエフの交響曲がよく演奏される。2008年12月にはワレリー・ゲルギエフ&ロンドン交響楽団が東京で全交響曲演奏会をひらき、アレクサンドル・ラザレフ&日本フィルハーモニー交響楽団が2009年から2011年にかけて3年がかりで全交響曲演奏会に取り組んでいる。N響でも今年の9月にクリストファー・ホグウッドの指揮で《古典交響曲》が演奏された。201001-nkyo5.jpg
《第7番》は、プロコフィエフの最後の交響曲。かつては「青春」のニックネームでも呼ばれたことのあるこの作品は、作曲者の最晩年の心境を反映してか、ノスタルジックな色を帯びている。広上らしい、真摯で心のひだにしみいるような演奏を聴きたい。
前半の武満徹の《3つの映画音楽》は、「ホゼー・トレス」、「黒い雨」、「他人の顔」からの音楽を弦楽オーケストラ用に編曲した小品集。N響の弦楽セクションの魅力が満喫できるだろう。そしてドイツの若手実力派ヴァイオリニスト、ヴィヴィアン・ハーグナーが演奏するベートーヴェンの《ヴァイオリン協奏曲》。今年3月のケルンWDR交響楽団の来日公演でも弾いた彼女の得意曲だ。

 

(やまだ・はるお 音楽評論家)

NHK交響楽団1月のコンサート情報こちら
(クリックするとNHKサイトを離れます) 

1月定期公演A・Cプログラム指揮者変更のお知らせ~
※1月定期公演(A・Cプログラム/NHKホール)に出演を予定しておりました指揮者ローレンス・フォスター氏は、本人の健康上の理由により来日不可能となりました。このため出演者を下記のとおり変更させていただきます。

● Aプログラム[1月9日(土)、10日(日)]尾高忠明氏
● Cプログラム[1月15日(金)、16日(土)]ジョン・アクセルロッド氏

なお、曲目の変更はございません。何とぞご了承くださいますようお願い申しあげます。

Aプログラム[1月9日(土)、10日(日)]
201001-nkyo-odaka.jpg1947年生まれ。国内主要オーケストラへの定期的な客演に加え、ロンドン交響楽団、バーミンガム市交響楽団、バンベルク交響楽団、シドニー交響楽団、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団等世界各地のオーケストラへ客演している。これまで1991年度第23回サントリー音楽賞受賞。1993年ウェールズ音楽演劇大学より名誉会員の称号を、ウェールズ大学より名誉博士号を、1997年英国エリザベス女王より大英勲章CBEを授与された。さらに1999年には英国エルガー協会より、日本人初のエルガー・メダルを授与されている。現在札幌交響楽団音楽監督、BBCウェールズ交響楽団 (現BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団)桂冠指揮者、東京フィルハーモニー交響楽団桂冠指揮者、読売日本交響楽団名誉客演指揮者、紀尾井シンフォニエッタ東京桂冠名誉指揮者を務めるほか、2008年9月から新国立劇場オペラ部門芸術参与、09年9月からは芸術監督代行を務めている。2010年1月にはメルボルン交響楽団の首席客演指揮者に就任予定。東京藝術大学音楽学部指揮科主任教授、相愛大学音楽学部客員教授。  

Cプログラム[1月15日(金)、16日(土)]
ジョン・アクセルロッドは、音楽界を引っ張る若手指揮者の中でも頭角を現し、世界中のオーケストラから引く手数多である。これまでロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、ロサンゼルス・フィルハーモニック、フィラデルフィア管弦楽団、ローマ聖チェチーリア音楽院交響楽団、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、スウェーデン放送交響楽団、上海交響楽団、ウィーン放送交響楽団、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団、ベルリン放送交響楽団、リヨン国立管弦楽団、モーツァルテウム管弦楽団、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団、パリ管弦楽団、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団、ハンガリー・フィルハーモニー管弦楽団等から定期的に招かれている。トリノ・イタリア放送交響楽団、ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ交響楽団、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、ボローニャ歌劇場管弦楽団などに客演。オペラ指揮者としては、2009年夏までスイスのルツェルン歌劇場の音楽監督を務める傍ら、シャトレ座とミラノ・スカラ座でのバーンスタイン《キャンディード》初演、ルツェルン音楽祭での《セビリアの理髪師》《イドメネオ》など幅広く活躍している。
現在シンフォニエッタ・クラコヴィア首席客演指揮者、ヒューストンのオーケストラX創立者兼桂冠指揮者、2010年9月からフランス国立ロワール管弦楽団の音楽監督に就任する。

1月定期公演Bプログラム、足利定期公演 ソリスト変更のお知らせ~
※1月20日(水)、21日(木)に開催されます第1666回定期公演Bプログラム、および、1月23日(土)に開催されます足利定期公演に出演を予定しておりましたヴィヴィアン・ハーグナー氏(ヴァイオリン)は、本人の健康上の理由により来日不可能となりました。代わって、堀米ゆず子氏が出演いたします。なお、曲目の変更はございません。何とぞご了承くださいますようお願い申しあげます。

投稿時間:21:00

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