NHKとはどういう事業体なのか

  • NHKは、全国にあまねく放送を普及させ、豊かで良い番組による放送を行うことなどを目的として、放送法の規定により設立された法人です。現在のNHKは、1925(大正14)年3月22日にわが国で初めて放送を行った社団法人東京放送局などを母体として設立された社団法人日本放送協会が、1950(昭和25)年に放送法に基づく公共放送として再出発したものです。NHKの使命は、公共の福祉のために全国にあまねく放送を普及させ、豊かで良い番組による放送サービスを行うことにあります。
  • NHKはいわゆる特殊法人とされていますが、NHKの行う公共放送は、政府の業務を代行しているわけではありませんので、放送法ではNHKがその使命を他者、特に政府から干渉を受けることなく自主的に達成できるよう、基本事項を定めています。基本事項の大きな特徴としては、仕事と仕組みについてNHKの自主性が極めて入念に保障されていることです。
  • NHKが自主性を保っていくためには、財政の自立を必要としますが、それを実現しているのが受信料制度です。NHKの運営財源は、受信設備を設置された全ての視聴者のみなさまに公平に負担していただくよう放送法で定められています。政府のほか、財界などいかなる団体の出資も受けていません(政見放送の実費や国際放送の一部の実施経費に限り、政府からの支出を受けています)。
  • NHKが視聴者のみなさまの要望に応えることを最大の指針として放送を行えるのも、受信料制度によって財政面での自主性が保障されているからです。それだけに、NHKには重い責任が生じますから、NHKの業務運営については、予算の承認や経営委員の任命等に関して、国民の代表としての国会を中心とする公共的規制があります。NHKが「半官半民」、あるいは「国営放送」などと誤解されるのは、このためではないかと思われます。ただ、国会との関係は、むしろNHKの事業運営に視聴者のみなさまの意向が的確に反映されるようにとの考え方から定められているものであると考えています。
  • いずれにしても、NHKは政府から独立した公共放送事業体ですが、他に例を見ないだけに、NHKの性格についての理解が広まるよう、さらに努力していきたいと考えています。