オーケストラでつなぐ希望のシンフォニー

公演について

人と人 音楽を ベートーベンのシンフォニーでつなぐ

2020年は、音楽の歴史に燦然とその名を刻む大作曲家・ベートーベンの
生誕250年というメモリアル・イヤーです。
ベートーベンの作品が日本中で鳴り響く予定でしたが、
新型コロナウイルスが猛威を振るう中、数々のコンサートが中止や延期となり、
音楽家たちもステージに立つことができない日々が続きました。
かつての平穏がいつ戻ってくるのかも、まだ誰にもわからぬままですが、
それでも、少しずつ前を向いて歩みだした人たちが沢山います。
「苦難を乗り越えた先にある歓喜」。ベートーベンの音楽の根底にあるテーマは
まさに、今の時代に通じるものがあるのではないでしょうか。

NHKでは、全国各地で活躍するオーケストラの演奏によるコンサート、
「オーケストラでつなぐ 希望のシンフォニー」を開催します。
新型コロナウイルスの影響で苦しむ多くの方々の
明日への希望につながることを願って、
ベートーベンの遺した交響曲や劇音楽などの名曲をオーケストラが1つずつ奏で、
日本を音楽でつないでいきます。

マエストロからのメッセ―ジ

広上 淳一/9月2日(水)京都市交響楽団公演 指揮

奇しくもベートーべン先生の生誕250年の今年、コロナウイルスが人類に襲い掛かりました。先生が自身の音楽を通して「アニバーサリーなどと騒いでいる暇があったら、世界がなぜこんなことになってしまったのか考えよ」と訴えかけているかのように思います。今一度、ベートーベン先生の遺したシンフォニーと向き合い、真摯に考える機会を得られたこと。その務めをしっかりと果たしたいと思いますが、コロナと私達はどう闘ったら良いのか?ベートーベン先生、教えて下さい!という気持ちです。
さて、麒麟はいつ誰のもとにくるか、それは私たち次第ではないでしょうか・・・。

尾高 忠明/9月10日(木)大阪フィルハーモニー交響楽団公演 指揮

このコロナ騒ぎ、しばらく経てばそう言うこともあった、と過去のことになります。今、悪いことばかりが騒がれていますが、世の中には意味のないことはないと言う教えがあります。
自粛により、空は綺麗になり、小鳥は嬉しそうにさえずり、人生の原点を見つめ直す素晴らしいチャンスです。「少し行き過ぎだぞ!」と言う神の教えでしょう。田園交響曲では小鳥も鳴きます、素晴らしい自然があります。
この様なワールドを、私達もベートーベンにあやかり、味わえる様にと思わずにはいられません。

高関 健/9月17日(木)群馬交響楽団公演 指揮

1802年10月6日、ウィーン近郊ハイリゲンシュタットにいた若い作曲家は悪化する聴力の減衰に苦しみ、絶望してこの世に別れを告げるべく「遺書」を書く。しかし書き進むにつれて自分の音楽家としての類まれなる才能と役割を再確認し、敢えて苦難の道を進むことを決意する。
シチェドリンは、「遺書」に引き続いて作曲された未曽有の傑作「英雄交響曲」の動機を引用しながら、ベートーベンの葛藤と希望への道を類推する。2曲を続けて演奏することにより、私たちもコロナ禍に打ち克って、希望が持てる新しい道を模索したいと考える。

阪 哲朗/9月24日(木)山形交響楽団公演 指揮

Lieber Herr van Beethoven !
Herzlichen Glückwunsch zum 250sten Geburtstag ! ベートーべンさん、250歳の誕生日おめでとう! かつて100歳、200歳の時も、全世界から祝ってもらったでしょうから、今はそれより、何としてでも彼にこのことを伝えたい。
世界中が困っているこの時、あなたの音楽の力を我々が心から求め、励ましあい、慰めあい、そして分かちあおうとしていること、あなたの生まれた250年前とは時代も国も違う日本中のオーケストラが、あなたの9曲の交響曲を順番に一気に取り上げること…。
本当は、もっともっと伝えたいことはたくさんあるのだが、ほんのこれだけでもあの怖い顔のベートーべンが、少しはにかみながら微笑んでくれそうに思えて仕方がない。

小泉 和裕/10月4日(日)九州交響楽団公演 指揮

この数ヶ月という時を大自然に囲まれて過ごしていましたが、7月初めに再開記念コンサートとして田園交響曲を演奏しました。4ヶ月ぶりのオーケストラの響き!ベートーベンが、自然と一体になっての音楽である凄さが全身で感じられ、暫く休むという事にも、また大きな意味がある事を実感しました。感受性が高まり、白紙の状態で芸術の本質に触れたのです。音楽による感動は、人に生きる力、前に進む力を与えてくれます。
特にベートーベンの音楽に託された決断力、艱難辛苦を乗り越える力は、人の心をポジティブにしてくれると同時に免疫力を高めてくれます。また、人はこれほど優しくなれるのか…!と感じられた時には至福感と共に感謝の念が湧いてきます。オーケストラという共同体は、全員が心とエネルギーパワーをひとつに合わせて音楽を創り出していきます。
人の社会も同じではと想い、そう願う今日(こんにち)です。

秋山 和慶/10月6日(火)札幌交響楽団公演 指揮

このたびの新型コロナウイルスの影響で日本はもとより、世界中の人々が大変な目に遭っている昨今ですが、私達演奏家も3月始めから6月末までの4か月間、予定されていた演奏会のほぼ全部がキャンセルされるという、かつて無い事態に追い込まれました。
まるで翼をもがれた鳥の様な何も出来ないもどかしさに、心も沈みがちでしたが、幸い7月に入って演奏会が少しずつではありますが始まりました。客席はソーシャルディスタンスのため通常の半分の人数。又、舞台上もオーケストラ奏者の間隔をそれぞれ約2mずつあけて、という特異なセッティングでのコンサートではありましたが、オケ奏者の音楽が演奏できるという喜びに満ちた笑顔と、何より客席からの本当に大きな止まることの無い熱烈な拍手・・・。
来ていただいたお客様が心から喜んでくださったのがわかって涙が出るほどうれしかったし、ありがたい思いで胸が一杯になりました。
今度の札幌での演奏会も心を込めて精一杯頑張りますのでどうぞよろしくお願い申し上げます。

飯守 泰次郎/10月15日(木)仙台フィルハーモニー管弦楽団公演 指揮

ベートーベンは、フランス革命、ナポレオン戦争など世界が激動した時代に生き、社会も彼個人も様々な問題や困難に次々と直面する中で、偉大な作品を創作しました。
現在、世界中がコロナ禍で大変な困難に直面していますが、ベートーベンの音楽には、聴く人の心に勇気を与える特別な力があります。ベートーベンと同じように時代の一大転換期に生きている私たちも、今こそ、ベートーベンの音楽の持つ力で、この激動の時代を乗り越えられると確信しています。

川瀬 賢太郎/11月14日(土)名古屋フィルハーモニー交響楽団公演 指揮

いつだってそう。ベートーべンの交響曲を指揮すると決まった時から胃がキリキリと痛み始める。正直怖い。でも彼の作品は聴いているより演奏している方が好きだ。なぜだろう。
彼は喜びや苦しみを隠さない。苦しい時は苦しんで良いんだと、もがいて良いんだと、嬉しい時は喜んで良いんだと教えてくれている気がする。そして、彼の作品に接する度に「今、生きている」と実感する。間違いなく僕は彼の作品を振り終える度にたくさんの勇気をもらうのである。
新型コロナでコンサートがたくさん中止になった。大切な友人が相次いで亡くなった。苦しかった。1ヶ月後生きている保証がないと思うと怖くて仕方がなかった。感情を隠しようがなかった。
少しずつコンサートができるようになってきた今、僕にとって指揮をすることは生きている証なんだと改めて思った。そしてベートーべンの楽譜を読みながら胃がキリキリしている事がこんなにも生きている事を実感させてくれるのか、と思いを噛み締めている。
ベートーべンは今年生誕250年だ。本来なら世界各地で彼のあらゆる作品が演奏されていただろう。でもそうはいかなかった。やっぱり一筋縄でいかないよな。さすがだよ、ベートーべン。さぁ、ベートーべンが教えてくれるよ、「音楽がある事の喜びを!」そして「音楽を体験する事は生きる事」だって!

下野 竜也/10月17日(土)広島交響楽団公演 指揮

私たち広島交響楽団は、劇音楽「エグモント」全曲を演奏する機会を頂きました。
このコロナ禍の最中(さなか)、我々が今こそ忘れてはならないものは、エグモントが劇中で示した「自己犠牲」「無条件の愛」とまでは行かずとも、
  思いやり
     助け合い
        譲り合い
だと思う日々です。
文化芸術という言葉を発する事も憚られる空気を感じる今日のこの頃ですが、誰もが持つ弱さ・醜さが露呈しまくっているこの世で、ベートーべンが残してくれた人間の愛情や理想を表現したこの作品や他楽団が演奏する交響曲に耳を傾け、もう一度、人間が本来持っている優しさを感じる事が少しでも出来たらという願いを込めて演奏させて頂きます。

公演一覧【主催】NHK各放送局

全国各地のオーケストラが、新型コロナウイルスの影響で苦しむ多くの方々の明日への希望につながることを願いながら、今年生誕250年を迎えたベートーベンの交響曲や、それぞれの想いの詰まった楽曲などを熱演し、日本を音楽でつないでいきます。

  • ※公演の実施にあたっては、各ガイドライン(施設、NHKなど)の遵守、また会場内の換気・消毒など感染拡大防止策を徹底します。
  • ※新型コロナウイルスの感染状況や、荒天などの影響により公演を中止する場合があります。その場合、他公演への振替はございませんので、あらかじめご了承ください。また、事情により出演者、曲目を変更する場合があります。そのほか、感染状況により、観覧いただける地域を一部制限する場合がございます。あらかじめご了承ください。
観覧申込:
各公演の専用申し込みフォームからお申し込みください。
(未就学児の同伴・入場はお断りします。)
申込方法や締めきりなどの詳細は、各公演のおよそ1か月から2か月前にご案内を開始する予定です。

主な放送予定

「クラシック音楽館」毎週日曜 午後9時<Eテレ>
11月1日(日)交響曲第1番 京都市交響楽団
交響曲第2番 仙台フィルハーモニー管弦楽団
11月8日(日)交響曲第3番 群馬交響楽団
交響曲第4番 九州交響楽団
11月15日(日)交響曲第5番 山形交響楽団
交響曲第6番 大阪フィルハーモニー交響楽団
11月22日(日)交響曲第7番 名古屋フィルハーモニー交響楽団
交響曲第8番 札幌交響楽団
劇音楽「エグモント」作品84(全曲) 広島交響楽団
「プレミアムシアター」毎週日曜 午後11時20分<BSプレミアム>
2021年1月17日(日)京都市交響楽団公演、広島交響楽団公演
2021年1月24日(日)仙台フィルハーモニー管弦楽団公演
2021年1月31日(日)群馬交響楽団公演

※各公演で演奏されたその他の曲目の放送は、決まり次第発表いたします。




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