“センパイ”に聞いちゃいました!!

2021.04.19

ソーシャルワーカー

「想いを伝える」ことの難しさに気づけました

小池杏奈さん

ソーシャルワーカーとして障害のある方々の生活相談や社会復帰支援をしている小池さん。2年生のときに、発達障害を抱えながら生活している方にスポットを当てたラジオ部門の番組を制作しました。番組作りを通して、障害のある方々の苦労や悩みだけでなく夢や希望を知れたことが、今の職業に就くきっかけとなったそうです。

今の職業に就いたきっかけはNコンと語る小池さん

現役時代に参加したNコンの思い出は?

どのような活動をするのかもよくわからないまま、放送部に入部しました。先輩方がカメラと三脚を担いで取材や撮影に行ったり、編集している様子を見ていて「なんだかカッコいいな、自分もできるようになりたいな」と憧れていました。
いよいよ3年生になり、憧れていたテレビ部門では、戦時中の富山大空襲に関する番組を制作し、当時のことがわかる場所や戦争を経験されている方々に取材させていただきました。「どうしたら取材した方々の声が届くような内容になるのか」「伝えたいことが伝わるのか」を毎日考え、先生にも指導いただきながら、部員同志でも話をしながら作業をしていました。
その甲斐もあり、ラジオ・テレビ両部門で全国大会に進むことができました。大会後、地元のNHKで放送してもらえた時には、少し誇らしく、とても嬉しかったことを覚えています。

県大会の記念写真

Nコンに参加してよかったことは?

2年生でラジオ部門を担当した時、発達障害を抱えながら生活している方にスポットを当てた番組を制作しました。とても難しいテーマでしたが、番組作りを通して、障害のある方々の苦労や悩みだけでなく夢や希望を知れたことが、「大学で心理学を勉強したい」と思うきっかけになりました。Nコンがなければ今の職業に就かなかったかもしれないと思うと、とても感慨深いです。

そして何よりも大きいのは、一緒に過ごし、同じ経験を共有できる仲間ができたことです。特に大会直前は「合宿」と称して学校に泊まり込んで作業をしていました。(今振り返れば、学校も親もよく許してくれていたなと思います)合宿のときには、顧問の先生が何時間も煮込んで作ってくれる特製カレーライスを食べながら作業するのがお約束。時に真面目に、時にふざけながらの部活動でしたが、学年問わず仲が良かった仲間たち。卒業しても、会えば笑い合って当時を懐かしむことができます。2012年に、先生の還暦お祝いで当時のメンバー有志が各地から集合し、先生も一緒に「懐かしの合宿」をしました。先生特製カレーを久しぶりに食べながら語り合えたのも良い思い出。最近はなかなか会えないけれど、きっとそれぞれ活躍しているんだろうなと思うと、自分も頑張ろうと思えます。

顧問の先生を囲む会の集合写真(中心にいる先生の左隣が小池さん)

現在の仕事や人生で役立っていることは?

今になって一番強く感じることは、番組作りを通して「想いを伝える」ことの難しさに気づけたことだと思います。よく顧問の先生に「1つのことを伝えるには、10を知らなければ説得力が生まれない」と教えていただいたことが今でも心に残っていて、色々な視点から知識を得て、物事を考え、伝えられる人でありたいと思っています。
そして、高校生という時期に、番組作りを通じて色々な考えや価値観に触れることができたことです。最近よく聞かれる「多様性」という言葉の学びに通じると思います。私は今、障害のある方々の生活をサポートするソーシャルワーカーとして働いていますが、出会う相手の思いや考え方を知ることを大切にして仕事をしています。それぞれの生き方、考え方を大切にするようになった原点は、放送部にあったように思います。

現役生のみなさんへメッセージ

Nコンへのチャレンジは、高校時代のかけがえのない思い出や財産になると思います。大変だなぁ!と思ったことは何度もありましたが、振り返ればどれもが楽しく得難い経験です。最近は、自分を表現できる機会もツールもぐんと増えているので、時々「今、自分が現役だったらこんな事やりたいな」と思いめぐらせることもあります。そして放送部の活動や様々な経験は、今後やりたいことを見つけられる出会いになると思います。
すべてのことに意味がある!皆さんのご活躍を心から応援しています!


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