ぶんけい月刊コラム

Column.1

ぶんけいさん

第66回NHK杯全国⾼校放送コンテストが閉幕して、早くも2ヶ⽉以上が経つ。
放送部員にとっては、あの夢の舞台が1年間の節⽬と⾔っても過⾔ではなかろう。
⼤晦⽇よりもお正⽉よりも年越し感がある。
お年⽟の貰えない年越しである。

それは何かやだな。

今このコラムを読んでくれている方の中には、放送部とは無縁な人もいるだろう。
「放送部って何?」「実際何やってるの?」よくそんな言葉を聞く。
ぼくはそんな言葉が少なくなるよう、Nコン公式サポーターとして参加することを決心した。

今年の全国大会登壇時の写真

まずは少し自己紹介をしようと思う。

ぼくは1994年に兵庫県にある淡路島というところで生まれた。
淡路島には電車がないので、小学校の修学旅行で初めて駅の自動改札を目の当たりにした。

ハイテクすぎて膝が震えた。

そんな環境で過ごしながら、気付けばパソコンに熱中していた。
(娯楽がないからそこに辿り着いたことは想像に容易い)
その流れでカメラに興味を持ったぼくは写真や映像に徐々に惹かれていく。
そして我が母校、兵庫県立洲本高等学校へ入学した。ここで放送部と出会ったのだ。
放送部の扉を開くとパワフルな先輩と、それ以上にパワフルな顧問の先生がいた。

結構マジで閉めるか悩んだ。

「なんだここは……」ぶんけい少年は思わずそんな言葉を発した(んじゃないかな)。

入部した。
どうやら放送部には「Nコン」と呼称される大会があるっぽい。
「あのNHKの大会なんだからスゴそう」とふんわり思っていたぼくは数ヶ月後に痛い目を見ることになる。

……初回のコラムだしこのくらいで⾃⼰紹介を出し惜しんでおこう。
なんかすごい⻑編になる気がしてきた。
しかもドラマの最後みたいに「気になる引き」を作ってしまったから後に引けなくなった。
EDのタイアップはどのアーティストに依頼しよう。

ごめんね、脱線マンなんだ。
でも期待していて欲しい。
今ぼくの手元には放送部時代3年間のあらゆるデータが残っている。
別にいつ使うわけでもないのに、大切に保管し続けてきたことが今年ようやく功を奏した。
失敗した作品の反省点も、過去のアナウンス映像も、全国大会のときの写真たちもすべて残っている。
ただの思い出に過ぎなかったデータが、今の放送部員たちに少しでも活かしてもらえるかもしれない!

収集癖バンザイ!

このコラムの中で「脱線」「収集癖」という言葉を使用したが、これはぼくを説明するのにかなり重要な表現だと思う。
昔から今までずっと「なんでなんで?」と幼子のように言ってきた。
分からないことがあったら何でも質問して、周りには笑われながらも色んな情報を得てきた。
でもそれでよかった。

アナウンス部門・ドキュメント部門では自ら取材をして原稿を書いたり、構成を練る。
朗読部門では最もハマる箇所を抜粋し、充分な理解をする必要がある。
ドラマ部門では「限られた環境の中で今自分が描けるものは何か」と自分の知識から必死に検索する。
研究発表は言わずもがな研究することが前提にある。
これってぼくのためにあるじゃん。そう思えるくらい「なんで?」が活きた。
「なんでなんで?」と脱線しながら色んな知識を収集し、それを武器にすることを認めてもらえたような気がした。

ぼくの居場所はここだ。
放送部に入って初めてそう思えた。

誰よりも近くで放送部時代のぼくを応援してくれた母とのツーショットを載せて、今号は終わりにしようと思う。次号ではもっと具体的な話をしよう。




連載NコンWEBコラム「ぶんけいの書斎」
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