イベント探訪ブログ N:KIKOU

【えぬきこう】
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若者の未来にエールを!
NHK広島放送局×広島交響楽団 夢プロジェクト

NHK広島放送局では、2022年秋に、新たなコンサートを企画しました。
コロナ禍で多くの忍耐を強いられた中国地方の若者たちが、ステージ上で夢を叶える、その名も「NHK広島放送局×広島交響楽団 夢プロジェクト」。

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2022年11月10日(木)に呉信用金庫ホール(広島県呉市)で実施したコンサートの司会は、山口県出身の工藤理子さん(STU48)、広島県出身の武本大樹アナウンサー(NHK広島放送局)。
地域の音楽団体がこれまで広島で培ってきた想いを振り返る第1部と、若い世代が心に秘めている想いを応援し、一緒に夢のステージを作り上げていく第2部のレポートをお送りします。

♪第1部~夢を奏でる~ 下野竜也指揮 広島交響楽団
広島交響楽団は、中四国唯一の常設のプロオーケストラです。“Music for Peace~音楽で平和を~“をテーマに活動を続け、「広響」の愛称で親しまれています。

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「広響」は2022年、プロのオーケストラになって50周年。さらに歴史をたどるとNHKと広響には大きな関わりがあるのです。

NHK広島放送局は、1928年に開局しました。当時はまだラジオ放送のみ。主に生放送で音楽を奏でていたのですが、1941年に専属のオーケストラとして結成されたのが「広島放送管弦楽団」、通称「広管」でした。戦争で演奏活動の中断もありましたが、終戦直後の街に、そして戦争で荒れた人々の心に生演奏を贈り、音楽が醸し出す暖かい息吹きを与えていたそうです。1963年、この「広管」のメンバーら7人を発起人として「広島市民交響楽団(市響)」が発足し、1970年にはその「市響」が「広島交響楽団」に改称。
そして、1972年に、広島交響楽協会が設立されて正式にプロのオーケストラとなりました。「広管」が、いまの「広響」に繋がっているのです。

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第1部のコンサートの幕開けは、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」メインテーマ。
毎週オープニングで流れているテーマ曲は、広響音楽総監督の下野竜也さんが指揮しています。
2曲目は、「平清盛」テーマ曲。大河ドラマ50年の記念作品であり、会場となった広島県呉市でも撮影が行われました。
そして、ベートーベン作曲「エグモント」序曲の演奏に続きます。NHK広島放送局が1928年に開局したその日に吹奏楽版が放送されたこの序曲は、「広響」が発足した第1回定期演奏会の1曲目に演奏された楽団にとっても大切な一曲です。
下野さんからは、「戦後の広島で、楽団として最初の演奏会。当時の団員の皆さんが、どんな想いで演奏していたのか、曲の最初の1音に“夢を託した”想いを感じながら、聴いてみてください。」とのコメントがあり、渾身の演奏でした。
最後に、NHK連続テレビ小説から、中国地方ゆかりの主題歌を4曲、メドレーにしてお届けし、温かな雰囲気で第1部は締めくくりました。

♪第2部~夢を叶える~ 若者が広響と一緒に、多彩なジャンルで夢の共演
若者達の夢を応援する一夜限りのスペシャルステージ。広響と共演するために集まってくれたのは、大きな夢を抱いた中国地方の若者たち6組です。

1組目は、幼稚園の頃から一緒にピアノ連弾の演奏をしてきた地元の高校生2人組。今後は別の進路に進むため、「ぜひ一生の思い出になるようなステージを!」と参加してくれました。得意とする3曲をメドレーで、広響をバックに会場からの手拍子も受けながら、楽しそうに奏でました。

hiroshima202212_4.jpg2組目は、ピアニストを目指していたものの、西日本豪雨をきっかけに災害に強いまちづくりを勉強したいと新たな夢に向かって歩き始めた高校3年生。音楽の道を諦める区切りとして、今回のステージに参加。超絶技巧曲として知られるリストの協奏曲を見事に弾き切り、演奏後には大きな拍手が送られました。

hiroshima202212_5.jpg3組目は、けん玉の世界大会で優勝した高校生とブレイクダンスの全日本大会に出場する小学生によるオーケストラとの異色のコラボ。「クラシック音楽をもっと身近に感じて欲しい」という願いを込めての企画でした。広響も若手メンバーが中心に演奏し、熱いパフォーマンスで共演しました。

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4組目は、スーパーボイスが評判の高校1年生。地域のイベントやライブを常に支えてくれる家族やファンに、広響の力を借りて感謝の思いを伝えたいと、歌で参加してくれました。「歌が本当に大好きで、特に歌っているその時間がたまらない」という気持ちを込めて熱唱していただきました。

hiroshima202212_7.jpg5組目は、難病の人たちの夢を叶えようという「難病プロジェクト」メンバーの大学生たち。支援活動で巡りあった運命の1曲「Color your life」を広響に演奏してもらいたいと今回参加してくれました。
この演奏にはサプライズで、バイオリニストのNAOTOさんも共演。まさに夢のステージでした。

hiroshima202212_8.jpg6組目は、プロのバイオリニストを目指して広島から上京し、東京の音楽学校で学んでいる高校2年生。メンデルスゾーン作曲「バイオリン協奏曲ホ短調作品64 第3楽章」を演奏し、会場から大きな拍手が送られました。

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イベントの最後は、スペシャルゲスト・NAOTOさんが「夢がテーマのステージだから、明るく幸せな気持ちになれるように!」と「HIRUKAZE」を演奏。
客席も巻き込んだパフォーマンスに会場も盛り上がりました。


♪放送予定
コネクトスペシャル「広島交響楽団×夢プロジェクト〜若者の未来にエールを!〜」
[総合] 2022年12月24日(土)午前10時30分~11時42分 <広島県内向け>
[BS1]2022年12月26日(月)午後5時45~6時57分 <全国放送>

広響 夢コンサート
[総合] 2022年12月29日(木)午前11時20分~11時47分<中国ブロック向け>
[総合] 2023年 1月21日(土)午前11時15分~11時42分<中国ブロック向け>