イベント探訪ブログ N:KIKOU

【えぬきこう】
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人と人が手を取り合う、共生社会の実現に向けて
「NHKハートフルクラシック」

NHKでは、音楽が持つ“本物の魅力”を感じてもらい、豊かで質の高い文化の創造に貢献するという趣旨のもと、2003年から「NHK音楽祭」を実施しています。
そして今年10月には、NHK音楽祭の一環として「NHKハートフルクラシック」を開催しました。

このコンサートは、“人と人が手を取り合う、共生社会の実現”への願いを込めてお届けする、障害のある人もない人も、演奏する人もそれを聴く人も、共に音楽を楽しんでいただくためのもので、2人のピアニストとN響メンバーによるコラボレーションが行われました。

1人目は、全盲の中学生ピアニスト・わたなべちひろさん。そして2人目は、発達障害のピアニスト・野田あすかさんです。2人とも、ソロでのコンサートはこれまでに何度も開催していますが、弦楽器などとのアンサンブルの経験はありません。

20191126_2.jpg一方のN響メンバーは、NHK交響楽団の精鋭とその仲間による室内楽団として、十数年に渡り全国各地で公演を行ってきた百戦錬磨のプロフェッショナルです。

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どのようにリハーサルを進め、どのように音楽を創り上げていくのか―――
出演者もスタッフも、リハーサル初日を迎える前から不安と緊張を感じていましたが、結果的には、そのような心配は杞憂に終わりました。

ひとたび音が鳴りだせば、“音楽”という共通言語を介して、すぐにコミュニケーションを取れるようになったのです。そして、お客様に音楽をお届けするために、妥協することなく、本番に向けて練習を重ねていきました。

迎えた本番当日。

わたなべちひろさんはまっすぐな歌声とピアノで「Imagine」や「トゥモロー」などを披露したほか、最後にはベートーベンのピアノ三重奏曲も演奏しました。
野田あすかさんはモーツァルトやシューマンの作品、ピアノ連弾のほか、自分自身の体験に基づいたオリジナル曲「手紙~小さいころの私へ~」では手話を交えながらの歌も披露しました。
N響メンバーも息の合った演奏で2人のピアニストをリードし、優雅なハーモニーを奏でました。

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2人のピアニストもN響メンバーも、楽しみながら取り組んだ今回のコンサート。
出演者の胸を打つパフォーマンスに、会場では涙を流しながら聞き入るお客さんも多くいらっしゃいました。そしてコンサートの最後には、出演者に向けて惜しみない拍手が送られていました。

なお、今回のコンサートでは、難聴者の聞こえを支援する「ヒアリングループ」(磁気ループ)を使用できるエリアも客席に用意しました。実際に使用されたお客様からは「クリアな音で楽しめた」と大変好評でした。

NHKでは、今後も“公共メディア”として、社会的な課題となっている様々なテーマについて、放送だけにとどまらず、イベントでも皆さまに喜んでいただける取り組みを進めていきます。