4月17日(日)放送
カズオ・イシグロをさがして

写真・左:作家 カズオ・イシグロさん
写真・右:女優・ともさかりえさん 長年魅了されてきたイシグロ作品を朗読する

写真:生物学者・福岡伸一さんはイシグロ作品の愛読者 今回初めて、対談に臨んだ

写真:「わたしを離さないで」の舞台となったイギリス郊外

 

カズオ・イシグロ(石黒一雄)。五六歳。長崎に生まれ、日本の血筋を持った彼は、現代イギリスを代表する作家である。これまでもイギリス文学最高賞であるブッカー賞を獲得するなど、ノーベル文学賞に最も近い存在のひとりとも言われる。
時代や価値観の変化の中で翻弄される人々を描いた初期作品からクローンや臓器移植を扱った近作まで、内なるイマジネーションと緻密な取材で多様なストーリーを紡ぎ出すが、底流するテーマは一貫している。記憶と命のはかなさ、そして尊さ・・・・・・。世界40か国で翻訳され、日本では全作品が邦訳されており、読者層も分厚い。
愛読者の一人、生物学者・福岡伸一は、イシグロの作品世界の底にある領域を探求し、「生きること・生命とは何なのか」を文学、科学の枠組みを越えた目線から見つめ直そうとしている。演出家・蜷川幸雄、映画監督・三木聡、女優・ともさかりえらはそれぞれのとらえ方でイシグロの世界に魅了されている。本国イギリスでも熱狂的な読者が毎月読者会を開くなどイシグロの名は国境を越え、さまざまな層に染み渡っている。
各人各様のイシグロ・ワールド。しかし、メディアに対し一定の距離を置くイシグロはこれまで、多くの取材を受けず、その実像はベールに包まれていた。そんな彼が1月に来日。単独インタビューに応じ、生い立ちから今日に至るまでの来歴を赤裸々に語った。さらに福岡と対面、「記憶」と「生命」について二時間にわたって語りあった。
番組では、日英両国の各界の人々のイシグロへの思いを切り取りってその魅力を浮き彫りにし、さらに単独インタビューと福岡との対談を織り交ぜながら、知られざるカズオ・イシグロの世界を立体的に探っていく。

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