12月13日(日)放送
迷走 碁打ち・藤沢秀行という生き方

写真・左:藤沢秀行
写真・右:1978年 棋聖戦 第7局

 

碁打ちが死んだ、藤沢秀行、83歳だった。囲碁界の最高峰「棋聖」(きせい)のタイトルを六連覇、史上最高齢の66歳で「王座」のタイトルも獲得。華麗で重厚、自由奔放な棋風で無類の強さを誇った“天才棋士”。競輪と競馬にのめりこみ、酒に溺れ、アルコール依存症の禁断症状の中で対局を闘った。
事業に手を出して手形を乱発、破滅的な借金地獄をさまよった。愛人多数、子どもは七人。胃・リンパ・前立腺、三度も癌(がん)からよみがえり、“最後の無頼派”と呼ばれた男。そんな秀行が最後に残した言葉、それは『強烈な努力』だった。その五文字の遺言は、最後の刻の直前、病室のベッドの上で渾身の力で揮ごうされた。天才そして無頼と呼ばれた人間のもう一つの姿が浮かんでくる。「碁は、無限の世界。誰も何もわかっちゃいねぇ・・わかろうとして死ぬまで生きるんだ・・・」秀行は、何で無頼に走ったんだろう、なぜ死の瞬間まで碁の道を究めようとしてもがきあえいだのだろうか。
この番組で、藤沢秀行という人間が追い求めた囲碁の世界と、その破天荒な人生に対じしていく。妻として半世紀以上も夫婦の修羅場を闘い続けてきた藤沢モトのインタビュー、数々の名勝負を打ち合った棋士や弟子たちの証言と碁盤の再現ドキュメント。そして、十年前に現役引退前後の秀行を取材した未発表のインタビューや映像素材などを通して、生涯、碁打ちとして生き抜いた一人の男の生きざまを見つめていく。

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