11月22日(日)放送
ピアニストの贈り物 〜辻井伸行・コンクール20日間の記録〜

写真・左:ヴァンクライバーン国際ピアノコンクールの舞台となった Bass Performance Hall(バースパフォーマンスホールでの演奏)シューマン・ピアノ五重奏曲
写真・右:辻井伸行 2歳3ヶ月 。 母親いつ子さんの歌に合わせて初めて「ジングルベル」を弾く

写真・左:13回ヴァンクライバーン国際ピアノコンクール金賞受賞国際ピアノコンクール優勝は日本人初の快挙
写真・中央:ピアニスト ヴァン・クライバーンと記念撮影する辻井。 ヴァン・クライバーンは1958年、ソ連が国の威信をかけて創設した第一回チャイコフスキー国際コンクールの優勝者。アメリカの英雄となる。
写真・右:伸行さん(20歳)と母親・いつ子さん。 テキサス州フォートワースでのコンクール20日間をいつも側で支え続けたいつ子さん。
優勝した直後、喜び合う母と息子

 

6月7日、ピアニスト辻井伸行(20)のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝のニュースは日本中に大反響を巻き起こした。権威ある国際コンクールでの優勝は日本人初と同時に全盲のハンディを乗り越えての快挙に日本中が沸き立った。
アメリカテキサスで行われた20日間に渡る辻井さんの挑戦を最初から最後までそばでずっと記録し続けた一人のアメリカ人がいた。ピーター・ローゼン。Lバーンスタインやヨーヨーマ、Pドミンゴなどクラシック界の巨匠たちの演奏を記録してきた音楽プロデューサーである。ローゼン氏のカメラは辻井さんのテキサス到着から、過酷なコンクールの舞台裏、そして辻井さんが栄光を勝ち取るまでの20日間をすべて記録している。その映像からは母親いつ子さんとの二人三脚、ホストファミリーの温かい支え、これまでカメラが入ったことのない審査の現場、共演するオーケストラと指揮者との行き詰まるやりとりなど辻井さんがいかに厳しいコンクールを勝ち抜いたのかが改めて伝わってくる。
ローゼン氏は言う。「最初は全盲という興味で撮影を始めたが、次第に一人の偉大なピアニストの演奏に魅せられていった。辻井の弾くショパンは巨匠ルービンシュタインの叙情性を持っている」。辻井さんの演奏を聴いたアメリカ人の聴衆は「あなたの才能は神様からの贈り物よ」と彼を讃えた。
ピアニスト辻井伸行のコンクールまでの20日間。その知られざる姿をすばらしい演奏とともにお届けする。

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