10月26日(日)放送
里山で子どもたちが輝く

写真:左から
・野菜畑を耕す2年生
・1年生をリヤカーに乗せて引く6年生
・ベーゴマを教える大人
・手作りブランコで遊ぶ1年生

 

昨年、好評を得たETV特集「里山保育が子どもを変える」の園児たちは4月から小学1年生。その3人にひとりは引き続き、毎週土曜日、同じ木更津市の里山で営まれている「社会館ポプラクラブ土曜学校」に参加する。里山保育を始めた宮崎栄樹園長が、「感性の成熟は10歳までが勝負。五感が感動にうち震える体験を何度も積む必要がある」と、6年前、学校5日制実施に対応し、土曜日の朝9時から夕方3時半まで、子どもの親など、地域の大人を巻き込んで、独自の環境教育を始めた。

この里山は地元の小学校では、放課後や休日、児童の立ち入りを禁止している。しかし、土曜学校は、小学校とは全く異なる教育方針を持っている。「1年生から6年生まで学年の枠を超えた異年齢集団の中で育っていってほしい」。上級生が下級生の世話をしながらリーダーシップを身につけ、下級生も上級生から学びながら社会性を身につける。指導者と呼ばれる大人たちも子どもを直接指導しない。それぞれが興味のあることに打ち込んでいる後姿を見せることで、子どもたちが影響を受け、みずからの力で成長していくことを狙っている。それは高度成長以前、どこでも見られた地域の中での子育てにも似ている。

今年、参加する子どもは93人。大人は8人。

今やほとんど見られなくなってしまった「子どもたちの異年齢集団」や「地域の中での子育て」。それらを里山という豊かな自然の中で復活させようと始まった「土曜学校」。しかし、子育ては一筋縄ではいかない。それでも学校では体験できないことがたくさんある里山。そんな中で子どもたちがどのように成長していくのか、密着取材で見つめていく。

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