4月6日(日)放送
そこに友だちがいた〜傷ついた子どもたちの再出発〜
 

写真左:卒業を目前に控えた6年生たち
写真右:担任の平山満先生

教育現場でさまざまな課題が噴出するなか、子どもたちの表情がいきいきと輝いている教室がある。全寮制の東京都葛飾区立保田(ほた)養護学校。ぜんそくや肥満の子どもをはじめ、いじめや両親の離婚などで心に傷を負い、友だちや大人に対して強い不信を抱いた子どもたちが学んでいる。みんなは親元を離れ環境のいい千葉県鋸南町にあるこの学校で、元気を取りもどしている。

6年生は14人。どの顔にもかつての暗い表情はみられない。笑顔を生み出しているのが、子どもたちからマンジと呼ばれる担任の平山満(ひらやま みつる)先生(50)だ。6年生の一日は、先生のギターに合わせて歌謡曲の合唱から始まる。他人とのコミュニケーションを拒絶する子どもたちも、大声を出すことで嫌なことを忘れ、人前で話すことが怖くなくなるという。東京から転校してきた子どもたちは、山や海岸での授業に最初は戸惑うものの、次第に友だちと手を取り合って溶け込んでいく。「子どもは本来、遊んだり、ケンカしたり子ども同士がかかわりあっていく中で伸びていくもの。私は授業を通してそうした子ども同士が豊かにかかわりあえる場をつくっていきたい」と平山先生は語る。

卒業前、6年生たちは、かつての自分がこの学校でどう変わったのかという劇をつくることにした。自分自身を振り返ることで昔とは違うことを実感し、卒業後、地元に戻っても中学校に通える自信をつけようというのだ。

番組では卒業式までの4か月、6年の教室にカメラが密着。平山先生や友だちとのふれあいを通じて、子どもたちが少しずつ自信を取り戻していく姿を追った。

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