2008年3月2日、ロシア大統領選が行われる。憲法で3選禁止のロシアではプーチンから新しい大統領の時代を迎える。プーチンの8年の政治は、地方首長の大統領任命制や反政府メデイア弾圧など「独裁への逆戻り」と総括される。しかしプーチンは国民の80パーセントの支持を得、かつての反体制作家ソルジエニツインまでもが「ロシアには皇帝のような独裁が必要」という。
今、ロシアは空前の歴史ブームであり、日露双方の研究者は、「今のロシアは19世紀ロマノフ王朝時代の再来だ」と新たな見方を始めている。上からの改革が、テロの横行を生み、独裁権力へと導く、その過程が150年を経て繰り返されているというのだ。新しい大統領でロシアは変わるのか、もしくはロシアは独裁から逃れられないのか。
番組では、東京外国語大学学長の亀山郁夫さんが、大統領選に揺れるロシアを訪れる。そして、ロシアの知識人と語り、帝政ロシア、ソ連、現代ロシアと脈々と続くロシア独裁の本質を読み解く。「民主化か権力集中か」。ロシアが抱える問題は、イスラム世界や中国など世界の多くの国が今抱える問題を象徴している。
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