12月30日(日)放送
大東京の真中で、一人 〜詩人・中原中也を歩く〜
   

写真:中原中也(18歳) 提供:中原中也記念館

今年、生誕100年を迎える詩人・中原中也。「在りし日の歌」「山羊の歌」など30年の短い生涯を終えるまでに詠んだ詩は、今も根強い人気を持ち、静かなブームを呼んでいる。また近年、神経衰弱が昂じて療養所に入った時の「療養日誌」、鎌倉での最後の生活を綴った「ボン・マルシェ日記」が、新たに発見された。この晩年の日記を駆使しての研究も進み、“東京”という都会で戦い、傷つき、満身創痍になっていった中也の姿が明らかになってきた。

17歳の時に上京。女優志願の女性との同棲。彼女をめぐる親友、小林秀雄との三角関係。発表の場が見つけられない焦燥。同人の仲間との衝突。金の無心のため山口への帰郷。弟や長男との死別。精神を病んでの療養生活・・・関東大震災の復興から日中戦争に突き進む時代、帝都・東京であがくように中也が詠んだ詩は壮絶な自己との葛藤の結果、産み落とされたものだった・・・。

番組では、作家の町田康さんが中也の足跡を訪ね歩くとともに、中也の“東京生活”に関心を寄せる人たちと対談し、時を超えて愛される中也の詩の本質に迫っていく。

出演: 町田康(作家)、柳田邦男(ノンフィクション作家) 、
山折哲雄(宗教学者)、佐々木幹郎(詩人)、福島泰樹(歌人)

Copyright (C) NHK(Japan Broadcasting Corporation) , ALL rights reserved. 無断転載・転用を禁じます。