テロ、幼児虐待、少年犯罪など不条理な犯罪が多発する現代、19世紀の文豪ドストエフスキーの作品が脚光をあびている。新訳「カラマーゾフの兄弟」は30万部を突破し、若い読者を獲得している。今ドストエフスキーの何が若者を魅了するのか。
ドストエフスキーの時代はテロと犯罪が蔓延する社会だった。ドストエフスキー自身もテロリストとして流刑されている。その中で「罪と罰」について問い続け、万人の心の奥底にある悪を描き出した。それは現代日本の抱える問題に直結する。
ドストエフスキー研究の第一人者、亀山郁夫外国語大教授が、作家の金原ひとみ、加賀乙彦、ドキュメンタリー作家の森達也と語りあうなかから、現代日本の病理を読み解く。
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