9月23日(日)放送
ごたごた荘の人々 〜東京・練馬 共同保育所〜

写真左:ごたごた荘 外観
写真中:ゆうなちゃんとりなちゃん(右)
写真右:あゆちゃんとりなちゃん(前)

東京、練馬。住宅街の路地の奥に、平屋作りのプレハブ小屋がある。共同保育所「ごたごた荘」。“共同保育所”とは「保育者と保護者が一緒に作る保育所」のこと。公立保育園で保育士をしていた遠藤美保子さん(58)が「預けっぱなしはごめんです」を理念に1982年、保護者の有志たちと設立した認可外保育施設だ。

「ごたごた荘」では、保育者と保護者が月に1回集まり、行事内容や運営方法から保育者の給料まで話し合って決める。保育者が休みの時は手の空いている保護者が交代で保育にもあたる。初めは「面倒」と感じていた保護者も他の子のオシメを換え、先輩保護者に子育て相談に乗ってもらううち、「一人で育てなければと気負っていたが肩の荷が下りた」「皆が自分の子どもみたい」と次第にごたごた流子育てを楽しむようになっていく。

しかし今、この「ごたごた荘」の前に大きな壁が立ちふさがっている。東京都の制度変更で、運営の大きな頼みの綱だった補助金が打ち切られるかも知れないのだ。公立園では受入れ数が少なかった0歳児を積極的に受け入れるなど、日本の保育を陰で支えてきた認可外保育所。しかし経営はどこもぎりぎりだ。少子化対策が早急に求められる中、国や自治体の思惑に揺れながら、25年の実績を元にユニークな共同保育を守り続けようとしている「ごたごた荘」の保育者と保護者達を通して、日本の保育の現状と課題を見つめる。

Copyright (C) NHK(Japan Broadcasting Corporation) , ALL rights reserved. 無断転載・転用を禁じます。