今年の春、痴漢えん罪事件の実話をモデルにした映画『それでもボクはやってない』(周防正行監督)がヒットし、「えん罪」の問題が広く人々の関心を集めた。実際に痴漢えん罪は、警察が痴漢の取り締まりを強めた10年ほど前から頻発するようになり、社会問題にもなっている。今年はまた、富山の婦女暴行事件がえん罪だったことや、鹿児島の公職選挙法違反事件で被告たちが自白を強要されていたことが相次いで明らかになり、警察や司法への疑問の声も聞かれるようになった。
えん罪はなぜ起きたのか。なぜ人は無実の罪を「自白」してしまうのか。番組ではそれぞれの事件の当事者を取材し、その理由や背景を探っていく。
また番組の後半では、どうすればえん罪を防げるかを考える。最近、早期実現が叫ばれている「取調べの録画・録音」。取調べ室でのやりとりをすべて記録しておくことで、自白が信用できるかどうかを後で検証できるようにしようという試みだ。欧米のみならず韓国や香港、台湾などアジアでも採用され始めている。番組では、「積極的に取り入れるべし」という日弁連、「時期尚早」という最高検察庁や警察庁にそれぞれの理由を取材。スタジオでは作家の佐木隆三さんやジャーナリストの江川紹子さん、元最高検察庁の検事で白鴎大学大学院の院長・土本武司さん、えん罪事件を数多く手がける弁護士の秋山賢三さんらゲストが議論する。 |