2月3日(土)放送
にっぽんの地方を歩く 〜民俗学者 宮本常一のまなざし〜

写真左:フィールドワークで農村を訪ねた宮本常一
写真中:対馬で宮本流の島おこしに挑む柚木修さん
写真右:宮本は新潟・旧山古志村の村おこしにも関わった

「私は地域社会に住む人たちが本当の自主性を回復し、自信を持って生きてゆくような社会を作ってもらいたいと念願してきた。地域社会の中にそういう芽を見つけたい、その芽が伸び育ってほしいと思った。」

今年、生誕100年を迎える民俗学者・宮本常一が静かなブームになっている。疲弊する農漁村では、地域振興に生涯をかけた宮本に学ぼうというムーブメントも起きている。これは、宮本常一のまなざしから、現在の日本の地方を見てゆこうとする試みである。

宮本常一は“歩く人”だった。日本中の村という村、島という島を歩き、その行程は16万キロ、地球4周分に達した。土地の古老から伝承や暮らしぶりを聞き、『忘れられた日本人』など、おびただしい著作を残した。

宮本はまた“実践の人”だった。宮本にとって地方は研究の対象であると同時に、そこで暮らす人々がどうすればもっと豊かに幸せになれるかを考え、実践する場であった。新しい農業技術を伝え、村おこしの知恵をしぼり、離島振興に奔走した。

宮本常一は、日本の地方で何に出会い、何を考えたのか。そして宮本が愛した地方は今、どんな現実に直面しているのだろうか。番組では、宮本が残した著作やスナップ写真を手がかりに、かつて宮本が訪れた土地にその足跡を追い、土地の現在を見据えてゆく。

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