12月9日(土)放送
スクールカウンセラーが見る子どもたちの心
高橋 哲さん(スクールカウンセラー) 高橋 哲さん(スクールカウンセラー) 倉光 修さん(東京大学教授)、石田 衣良さん(作家)

写真左・中:高橋 哲さん(スクールカウンセラー)
写真右:倉光 修さん(東京大学教授)、石田 衣良さん(作家)

少年少女による殺人事件が相次ぎ、親も教師も“子ども”をとらえきれないでいる。そんな時代に、学校現場で子どもの心の問題に取り組んでいるのが、「スクールカウンセラー」だ。この制度が始まってから今年で10年あまり。当初は“いじめ”や“登校拒否”への対処が最大の課題だったが、いま、問題なのは、複雑化する子どもの心の闇にどう向き合うかだという。

スクールカウンセラーを務める高橋哲さんによれば、“いじめ”や“非行”もこの10年で大きく様変わりしたという。

──「“いじめ”は、ブログなどにクラスメイトの盗撮写真を無断で載せてひぼう中傷するなど、教師の想像を超える冷徹なケースが増えている。“非行”は、 かつては親や大人の価値観にきっ抗したいという「思春期」的な理由が多く見られた。しかし、今は、“解離”反応が見られる。学校や家庭において過度のストレスを受け、そのストレスが問題行動につながっているケースが多い」──

熊本県の岡崎光洋さんは、10年間、500ケースに及ぶカウンセリングから、子どもの問題の多くが、親に起因すると考えるようになった。「親が幼くなっている。」岡崎さんはいま、子どもや教師だけでなく、親のカウンセリングに力を入れている。岡崎さんが分析する親の変化の特徴は3つ。「過干渉」、「言いなり」、「養育放棄」。

この10年間、子どもたちの心はどのように変化したのか。番組では、スクールカウンセラーの現場から子どもたちの“今”と、そこに映し出される親子関係や社会の変化を見つめる。

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