7月1日(土)放送
「楽都はふたたび歌う」〜ニューオーリンズ・不屈のミュージシャンたち〜
写真左・中:ハリケーンの爪あとがのこるニューオーリンズの町でも、ミュージシャンたちが音楽を奏で始めた。
写真右:ハリケーンの爪あとがのこるニューオーリンズの町

 去年8月、アメリカ南部ニューオーリンズに未曾有の被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」。それから約1年、この間まったく時間が止まったかのように、一向に復興の手が伸びていない地区がニューオーリンズにある。「Lower 9th Ward」と呼ばれるこの地区は住民の年間所得が100ドル程度、最も貧しく、犯罪多発地区として、街の保守的な白人層から疎まれてきた地区である。しか し、一方でカトリーナによってナインスワードが壊滅したことで「ニューオーリンズ音楽の死」を危ぐする声が多くの文化人の間からわき起こった。

 98%の住民がアフリカ系アメリカ人のロウワーナインスワードこそ、ニューオーリンズ音楽の源流を生み出してきたからだ。ゴスペル、ジャズ、ブルース、 R&B、ニューオーリンズの街から生み出された音楽は米国音楽、ひいては世界の現代音楽に多大な影響を与えてきた。R&B界の大御所ファッツ・ドミノも巨万の富を築いてもなお、ナインスワードに住み続けてきた。

 魂が宿るこの街に数多くのミュージシャンが引かれ移り住んでいる。日本人ギタリスト・山岸潤史(52歳)もその一人だ。被災後、全米各地に避難していたミュージシャンたちはこの街に引き寄せられるように舞い戻り、音楽を奏で始めた。

 番組はニューオーリンズ音楽の揺籃(ようらん)ともいえるロウワーナインスワードにカメラを据え、被災したミュージシャンたちの復興を半年間追い続けた。肉親を失った絶望から立ち直れない者、将来の希望を歌に託す者、この街に再び戻ったミュージシャンたちのそれぞれの復興の姿を見つめながら、アメリカ音楽を担ってきた米国南部のマイノリティ社会を描く。

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