12月10日(土)放送
山田風太郎が見た日本 〜未公開日記が語る戦後60年〜

 忍法帖シリーズで知られる小説家・山田風太郎の日記が発見された。1950年から1993年に至る43年間の日記である。すでに「戦中派不戦日記」等が刊行されているが、今回発見された日記はその後の未公開のもの。特徴的なのは、廃虚から復興を遂げてゆく日本を見据えるしんらつな眼であり、戦後数十年を経ても消えぬ戦争へのこだわりである。

 流行作家となってからも、「ある意志を持って」戦史を読み続け、その数は1000冊を超えた。そして、「勝てるかも知れぬと思い込んで」戦争を始めた人々の責任を厳しく問い続けるのである。

 山田風太郎は、戦後の日本をどのような想いで見つめたのだろうか。原体験の戦争が、その後どのような影響を及ぼしたのだろうか。

 番組では60年安保、三島自決、浅間山荘事件、オイルショックなど戦後史の大事件に対する風太郎の独自の批評を紹介。妻と二人の子どもへの細々とした愛情をつづった作家の人間像を明らかにする。自らを「傍観者」と規定した山田風太郎が見つめた戦後日本を描く。

朗読・出演:三国連太郎、語り:広瀬修子

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