1月29日(土)放送
これからの科学、これからの社会 〜京都賞歴代受賞者からのメッセージ〜

 コンピューターのアラン・ケイ、言語学のチョムスキー、人工知能のマッカーシー、音楽家のメシアン、哲学者のカール・ポパー、映画監督アンジェイ・ワイダ。『京都賞』20年間の受賞者は、みな現代を代表する“知の巨人”たちである。

 京都賞は、ノーベル賞が“独創性”すなわち最初に新分野を切り開いた人に贈られるのとは異なり、“人類への貢献”すなわち社会に大きく役立った人に贈られる賞である。しかも「科学」「技術」のみならず、「思想芸術」の分野で貢献した人々にも贈られる。これまでの京都賞受賞者は、コンピューター・サイエンス、遺伝子工学、EU統合など、世界のあり方すら変えるほどの、偉大な貢献を人類へ成してきた人たち。すなわち科学・技術で社会を変え、思想芸術によって体制や制度を変革してきた、20世紀後半の『大変革の時代』をデザインした人たちである。それゆえ、京都賞受賞者は、現代社会を映し出す鏡ということができる。

 番組では、歴代の京都賞受賞者中から選んだ6名へのインタビューによって、現代とはどんな時代なのか、そして、21世紀の課題と未来への展望を語る。


<主な出演者>

ワルター・ヤコブ・ゲーリング
(第16回 2000年 スイス・バーゼル大 発生生物学者)
あらゆる生き物の「すがた・形」の形成つかさどる遺伝子「ホメオボックス」を発見。そのメカニズムを遺伝子レベルで解明した。

アラン・ケイ
(第20回 2004年 アメリカ・コンピューター科学者)
パーソナル・コンピューターの概念の創出し、その原型のマシン『アルト』を作り上げた。

林忠四郎
(第11回 1995年 京都大学名誉教授 宇宙物理学者)
宇宙における起源を数値計算から体系化した。また地球などの太陽系の惑星は星くずが集って出来たという京都モデルを確立した。

ジェーン・グドール
(第6回 1990年 イギリス・ゴンベ・ストリーム研究センター 霊長類学者)
アフリカでの野生チンパンジーの研究から、人間以外の生き物も、道具を使い感情があるということを実証した。

ノーム・チョムスキー
(第4回 1988年 アメリカ・マサチューセッツ工科大学 言語学者)
文化や人種に関わらず、人間の言語のなかには普遍的な構造があり、これは人間が生まれながらにして持っているという『生成文法論』を構築した。

アンジェイ・ワイダ
(第3回 1987年 ポーランド 映画監督)
映画というメディアで、自由精神と人間の尊厳を訴え、社会変革につなげた。
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