1月8日(土)放送
大作100メートルに描くわが祖国 〜在日中国人水墨画家・王子江〜
 2004年秋。在日中国人の水墨画家・王子江(45歳)は壮大な創作に挑んでいた。祖国中国で、1日1メートル。100日かけて100メートルの巨大な水墨画を完成させようという試みだ。絵の題名は「世界是一個家庭」。世界の人たちは一つの家族。王は平和の願いをこめて筆をふるう。そこには毛沢東、マルクス、レーニンから市井の人々まで多くの中国人たちが登場する。

 1958年中国大躍進の年、王子江は画家の家に生まれた。19歳の時、王は中国の国宝・元代永楽宮の400メートルの大壁画を見て強い感銘を受けた。この時の経験が画家としての方向性を決める転機となった。時代の荒波を乗り切り生き残った芸術の力。その後王は、北京駅の前で日々人々を写生し続けた。その数1万2000。29歳で来日し、独自の水墨画を確立。薬師寺や出雲大社に巨大な障壁画を収めた。今回の巨大水墨画の制作は、中国文化庁の後援を受けた“がいせん展覧会”である。

 番組は、激動の時代を生き抜いてきた王子江が、巨大な作品を仕上げるまでを密着取材。平和のメッセージを描き上げていく姿を感動的に描く。
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