10月30日(土)放送 午後5時から教育テレビにて放送
水俣病・問い直された行政責任 〜関西訴訟最高裁判決が意味するもの〜
 10月15日、水俣病の行政責任を問う、初の最高裁判決が下った。
「チッソ水俣病関西訴訟」。今回の判決が出たことで、30年に及ぶ水俣病裁判の歴史の中で、ようやく行政に責任があるという法律上の判断が確定した。

 裁判の論点は二つ。

I 被害を防止しなかった行政の過失を認めるかどうか?
II 患者を水俣病ではないとした行政の認定基準は正しかったのかどうか?

 95年の政治決着で、ほとんどの患者が和解に応じ裁判を取り下げた。しかし唯一「関西訴訟」の原告だけが行政の責任を問い続けてきた。その結果、2001年の高裁判決は、排水規制をしなかった国と県の過失を指摘、水俣病の認定基準も間違っているという判断を下した。

 今回、最高裁は原告の主張を認め、県と国の法的責任が確定した。これによって、行政責任を不問にした「和解」の前提が強く揺さぶられる事態を迎えた。認定基準の見直しを国は迫られることになる。

 水俣病事件の歴史を画した今回の最高裁判決。
番組は、判決の内容とその背景、及ぼす影響などを分析、関西訴訟で問われてきたことは何だったのかを分かりやすく解説、提示する。


※福岡県内は午後1時からの放送になります。
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