8月14日(土)放送
戦場から伝えるもの 〜フリー映像ジャーナリストたちの記録〜
 6月末、京都の立命館大学国際平和ミュージアムで「世界の戦場から」と題して、11人の第一線の日本人フォトジャーナリストが中東、アフリカ、チェチェン、中米などの戦場で撮った写真の展覧会が開かれた。
 呼びかけ人で30年にわたりパレスチナ紛争を追ってきた広河隆一、旧ソ連・アメリカの核実験場や劣化ウラン弾の使われたイラクで被爆者を見つめてきたベテランの森住卓。イラク戦争の30日を、イラク市民に目線を置きながら記録した豊田直巳、戦場で被弾して片目を失明しながら「アフリカの忘れられた戦場」の闇に生きる人々を撮る20代の亀山亮・・・・新旧の11人の写真家が描き出すのは死者や傷ついたもの=戦争の被害者の側から見た戦場の姿である。それは、平和の続く日本では接することのない世界の実像である。

 彼らはなぜ戦場に赴き、何を思ってシャッターを切るのか・・・
 176枚の写真とフォトジャーナリストたちへのインタビュー。そして写真展を読み解くナビゲーター・西谷修(東京外語大教授)のコメントと広河隆一との対談。
 そこで語られる世界は、同時多発テロ以降、世界中がものすごい勢いで動き、私たち日本人も戦争に無関心でいられないことを実感させてくれる。マスメディアが入り込まない戦いの最前線に身を置き、戦争報道を支えるフォトジャーナリストの実像に迫る。
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