7月17日(土)放送
戦乱と干ばつの大地から 〜医師 中村哲 アフガニスタンの20年〜
 アルカイダ掃討を名目に空爆されたアフガニスタン。あれから3年。政権交代後、国連機関と国際NGOの援助による復興が始まり、2004年9月には、和平プロセスの締めくくりとして総選挙が予定されている。しかし、人口の9割が暮らす農村の復興の道筋はいまだ見えず、援助の手もほとんど及んでいない。そんな中、医療NGOを率いてアフガニスタンで援助活動を続ける日本人がいる。中村哲58歳。医師としてアフガニスタンで20年に及ぶ援助活動を続けてきた。その活動は、ソ連軍撤退後の内戦時代、タリバン時代、そして米軍による空爆時でさえ続けられてきた。

 中村医師が接してきたのは、つねに戦乱の苦難と飢餓の中を生き抜いてきた市井の人々だ。彼らは、国際社会が押しつけている「復興」とそのあり方を、我々に重く問いかける。異文化の中で見つめてきたアフガニスタンでの生と死。その生と死に向き合ってきた中村医師の思索と言葉は深く重い。番組では、再生へと一歩踏み出したアフガニスタンの村々の現状報告、さらにそのために奔走する中村医師の姿に真の国際貢献のありかたを見る。
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