7月12日(土) 放送
第一部 新型肺炎SARSと闘う  〜 最前線・WHO西太平洋地域事務局 〜

医療防護服を着用する
WHOスタッフ

SARSウイルス
 
 爆発的な感染拡大で世界をしんかんさせた新型肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)。世界保健機関(WHO)は今年3月、この新しい感染症の存在をいち早く世界に警告し、情報公開を渋る中国政府と粘り強く交渉しながら精力的に対策に当たってきた。その先頭に立ち続けてきた日本人がいる。

 WHOにおけるSARS対策の中心となった西太平洋地域事務局(WPRO、マニラ)。WPROには、アジアにおけるSARSについての最新の情報が常時飛び込み、検討や対策のための意志決定がなされている。そこで陣頭指揮を執っているのが、二人の日本人医師だ。事務局長の尾身茂さん(53)と、SARS対策特別チームの責任者、押谷仁さん(44)。二人はSARSの発生以来、次々と発生する問題と格闘しながら困難な決断を重ねてきた。SARSの存在はどのようにして察知されたのか。対策実施への壁は何だったのか。そして、WHO初の「渡航延期勧告」には、どのようにして踏み切ったのか。

 番組では、尾身さんと押谷さんへのインタビューを軸に、WPROがSARSと闘う日々を見つめながら、わたしたちは新興感染症とどう向き合っていけばいいのかを考える。
第二部 不況知らず 常識破りの経営術

樹研工業の10万分の1gの歯車
(米粒の上)

樹研工業の10万分の1gの歯車
(拡大)
  売れない物を作ってばく大な利益を上げる部品メーカー。客の数を減らし値引きもしないで増益を続ける家電店。日本一休日が多いにもかかわらずフタ桁の利益率を上げ続ける電気設備用資材メーカー・・・。

 デフレ不況もどこ吹く風、常識破りの経営で成果を上げる企業がある。

 成功の秘密は、どこにあるのか? 常識外れとも思える経営をつぶさに見てゆくと、そこには実に理にかなった戦略がある。そして、利潤を最大の目的としてきた従来の企業とはまったく違った企業観が、見えてくる。

 番組では、常識破りの経営で成長を続ける企業の事例を通して、これからの企業のあり方を探る。

 ゲスト:山口義行(立教大学教授)、金子勝(慶応大学教授)

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