6月21日(土) 放送
同潤会アパートが語る昭和史
 今年春、都内に5つ残っている同潤会アパートのうちの、主な3つが取り壊される。表参道に面した青山アパート、新宿新小川町の江戸川アパート、そして独身の女性のために造られた大塚女子アパートである。

 同潤会は、大正13年、関東大震災、内務省により震災復興を目的として設立され、住まい方の提案にまで発展した画期的なアパートが16か所に造られた。今回取り壊される3つの同潤会アパートは、1つ1つ個性的で昭和史を語る存在である。消えゆくアパートの住民1人を主人公に、同潤会アパートの物語を3話オムニバスでつづり、住むことの意味を考えていく。

 ■第一話 表参道を見つめた80年 〜麦田トラ・青山アパート〜

 天皇が表参道をパレードするため洗濯物隠しが設計された戦前から、被災者が屋上にまであふれた戦後。そしてオリンピックを境に原宿が変化、住宅から店鋪へ次々変わっていった青山アパート。戦争直後からアパートの水道管理人として住み続け、「私がアパートをみとる」と決めている麦田トラさん(72)を主人公にその歴史と最後の日々を描いていく。

 ■第二話 そこにいつも中庭があった 〜坪内ミキ子・江戸川アパート〜

 江戸川アパートは、同潤会が当時の集合住宅の理想をすべて込めて最後に建築したもの。食堂、風呂、娯楽室、中庭といった豊かな共有部分を持ち、一戸ずつも工夫を凝らされている。坪内ミキ子さんは、このアパートで育ち、結婚後も現在まで住み続けてきた。心のよりどころは特徴的な中庭。時には劇を催し、いつも皆で集い語り合った。独自の文化を発信し続けた江戸川アパートの歴史を、坪内ミキ子さんを主人公に描いていく。

 ■第三話 夢見る女達の城 〜戸川昌子・大塚女子アパート〜

 初めての独身キャリアウーマンの寮として始まった大塚女子アパート。戦災で父と兄を失い、母が管理人となり2人で住み込んだ戸川昌子さん。戸川さんは、夢を見、夢に破れた住民の女たちを主人公に「大いなる幻想」を書き、作家としてデビューする。戸川昌子さんを中心に、大塚アパートがはぐくんだ女性たちの歴史を描いていく。

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