2014年12月6日(土)
【再放送】2014年12月13日(土)午前0時00分
※金曜日深夜    

【アンコール】見えないものが見えてくる
~白石加代子の百物語~
(2014年8月16日(土)放送)

22年間、観客を魅了し続けて来た伝説の舞台が、ことし幕を閉じる。
白石加代子の百物語。日本を代表する舞台女優・白石加代子がたった一人で演ずる朗読劇ながら、痛快無比、圧倒的なエンターテインメント。白石のたぐいまれな芝居の力で、見えない物語世界が豊じょうに立ち上り、登場人物たちが生き生きと観客の脳裏で動き出す。

白石加代子はことし、72歳。25歳で遅咲きの役者デビューを果たした白石は、早稲田小劇場での鬼気迫る演技で、世の中を震かんさせる。
以降、蜷川幸雄、野田秀樹ら名だたる演出家、共演者たちと舞台を共にし、称賛と尊敬を集めてきた。
22年間続けてきた百物語の舞台は、文字どおりの白石のライフワークである。今回の最終公演がその集大成となる。

「恐怖」をテーマにした百物語の題材は多岐にわたってきた。
夢枕獏、筒井康隆、宮部みゆきら当代人気作家の小説から、古典の名作、怪談はもとより、落語や海外ミステリー、オリジナル作品まで、多彩なラインアップを届けてきた。
今回、最後の作品となるのは泉鏡花の戯曲の最高傑作と言われる「天守物語」。
歌舞伎や映画、演劇の演目としてたびたび取り上げられてきた名作である。
ここで白石は、一人で17のキャラクターを演じ分けるという難関に挑む。
22年間やってきて、最も過酷な挑戦となった。

番組は稽古が始まった5月後半から約1か月間、本番当日までの白石の姿を追いかけた。
演出家鴨下信一と1対1で火の出るようなぶつかり稽古、自宅での大女優の飾らない素顔や、亡き母がくれた1枚の着物のエピソード、そして白石に登場人物たちの魂がひょう依し、こん身の怪演が披露される本番。
「見えないものが見えてくる」心ざわめく瞬間、白石加代子の百物語の魅力を存分に伝える。

語り:羽佐間道夫
(内容59分)

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