沖縄本島最南端の地“摩文仁の丘”。
20万人以上の命が奪われた沖縄戦で最後の激戦地となり、最も多くの命が奪われた地でもある。
6月23日、沖縄慰霊の日。摩文仁では戦没者追悼式が行われ、肉親の死を悼む沖縄の人々の姿が全国に伝えられる。
一方で、摩文仁にはその他にもさまざまな立場の人々が慰霊に訪れることはあまり知られていない。
旧日本軍の英霊を顕彰する戦友会や自衛隊隊員、
沖縄戦で1万2千人以上の戦死者を出したアメリカ軍関係者、
各種平和団体や宗教団体などが、それぞれの思いで慰霊を行っている。
そこには、現在の自分たちの立ち位置を確認しようとする人々の思惑も見え隠れする。
多くの命がいちどに奪われた時、遺された者はその死をどう受け止め、どのように霊を慰めていくのか。
“慰霊”をめぐり人々の思いが交錯する摩文仁の日々を追い“戦争と死”とどう向き合うのか考える。