2013年5月11日(土) 夜11時
【再放送】2013年5月18日(土)午前0時45分
※金曜日深夜    

仏教に何ができるか
~奈良・薬師寺 被災地を巡る僧侶たち~

「なぜ自分だけが生き残ったのか。」「なぜ原発事故に翻弄されなければならないのか。」東日本大震災によって生じた、数々の言い知れぬ苦しみ。その苦しみを少しでも和らげたいと、奈良・薬師寺は去年3月から寺をあげて被災地を巡ることにした。
僧侶たちが携えたのは「般若心経」。仮設住宅の集会所などに出向いて仏の教えを説き、「写経」を勧める。苦しみを抱える人々に、これからの生き方を見つめ直してもらうのがねらいだ。
被災地へ足しげく通う中で、薬師寺の僧侶たちは壁にぶつかる。遺族の苦しみに触れ、これまで説いてきた仏の教えを突きつけることに戸惑いを覚えるようになった者。そして、被災地のすさまじい光景を目の当たりにしたとき、身勝手な自分に気づかされ、仏に仕える資格はあるのかと自己嫌悪に陥った者。それでも僧侶たちは、みずからの存在意義をかけて被災地に立ち続けた。
家族や家を失い、苦しみのただ中にある人々に対して、直接被災しなかった者たちが語りかけるべき言葉はあるのか。薬師寺僧侶たちの1年におよぶ模索を通じて考える。

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