子どもたちが、生き生きと学ぶ小さな教室がある。 山梨県の身延町立大河内小学校3年生、14人のクラス。
担任の古屋和久先生は、一方的に教えるのではなく、 子どもたちに疑問を投げかけ、お互いに考えさせる。
子どもたちは、わからないことがあれば、必ず友だちに聞く。 聞かれた子は、自分なりの考えを一生懸命に説明する。 ここは、子どもたちがお互いに「学び合う教室」だ。
今、教育現場では、子どもたちの「考える力」や「コミュニケーションの力」の低下が 大きな課題になっている。 一方、大人の社会でも、個人と個人のつながりが分断され、他者への無関心が様々な社会問題を生んでいる。 古屋先生は、思考力や自我が芽生える時期にこそ、 お互いの考えをやりとりする「学び合い」が大切だと考えている。
そんな「学び合い」の出発点は「わからない」と問うこと。 しかし、従来の一般的な「一斉授業」では正解を求められるのが常識のため、 子どもにとって「わからない」をさらけ出すのは難しい。 子どもたちは葛藤を経験しながら、お互いの「わからないこと」を認め合い、高め合っていく。
子どもの持つ力を信じ、時に厳しく、時に暖かく、彼らを見守る古屋先生と、 お互いの個性を認め、支え合って成長していく子どもたちの、 「学び合う教室」を見つめる。
スタジオゲスト: 佐藤学(東京大学教授) 重松清(作家)