2011年5月29日(日)

細野晴臣 音楽の軌跡
~ミュージシャンが向き合った「3.11」~

日本のロック・ポップス文化の先端を走ってきた63歳の音楽家、細野晴臣の軌跡と、今、彼がどのように音楽に向き合おうとしているのか、震災からの2か月を追う。

細野晴臣63歳。東京生まれで東京育ち。彼の音楽活動の軌跡、その特徴は、すべてを「先取り」してきたことにある。1970年、「はっぴいえんど」で始めた日本語のロック、松任谷由実(荒井由実)と創り出したニューミュージック、80年代に世界を席巻したYMOのテクノポップ、そして90年代以降のアンビエント・エレクトロニカと、戦後日本のロック・ポップスはさまざまに形を変えて流行を作ってきたが、その先頭には常に細野の音楽があった。細野が創り出してきた音楽は、時代の空気を敏感に感じ取ることから生み出され、その音楽は人々に変化を予感させる「サイン」の役割を、これまで果たしてきた。細野の創作の軌跡を通して、この半世紀の日本の音楽シーンの変化をみつめていく。

番組では、細野と共に時代を走ってきたクリエイターたちが、その時代を振り返り、細野の功績を証言する。
証言:松本隆(作詞家・はっぴいえんどのメンバー)、松任谷由実(ミュージシャン)、坂本龍一(ミュージシャン・YMO)、高橋幸宏(ミュージシャン・YMO)、中沢新一(人類学者)。

そして2011年春。細野は38年ぶりの全曲ボーカルアルバムを発表しようとしていた。彼が久しぶりに歌いだそうとしたその時、東日本大震災が日本を襲う。地震の後、1か月間全く音楽に触れられなかったという細野。音楽の創り手として、彼はこの事態に何を考え、何を奏でようとしたのか。ふだん多くを語らない彼が、ロングインタビューで言葉を尽くし、語る。さらに、若い世代の細野フォロワーたちと、細野自身が対談を行う。ミュージシャン同士が交わす言葉から、震災という危機に直面した音楽家の苦悩を浮き彫りにし、創作の未来を探っていく。

対談:小山田圭吾(ミュージシャン・コーネリアス)
岸田繁(ミュージシャン・くるり)

ナレーション:原田知世

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