2016年 49日(土)よる11時放送
再放送416日 午前0時放送(金曜深夜)

エヴァの長い旅
~娘に遺(のこ)すホロコーストの記憶~

『アンネの日記』で知られるアンネ・フランクと数奇な運命で“義理の姉妹”となった女性がいる。オーストリア出身のユダヤ人女性エヴァ・シュロス、86歳。エヴァは1944年、「15歳の誕生日」にナチスに逮捕され、家族と共にポーランド南部にあるアウシュビッツ強制収容所へと送られた。その後エヴァと母親は奇跡的に生き残ったが、父親と兄は亡くなっていた。エヴァの同級生だったアンネも、“隠れ家”時代の迫害と青春の日々をつづった日記を残して、15歳でこの世を去った。 戦後、共に伴侶を亡くしたエヴァの母親とアンネの父親が再婚し、エヴァとアンネは時を越えて“姉妹”となった。しかし、10代で壮絶な体験をしたエヴァは、その後もアウシュビッツのトラウマに悩まされ続けた。最愛の夫や娘たちにさえ、自身の過去を一切語ることができずにいた。一方、末娘のシルヴィアも母親が抱える心の傷を気遣い、過去について尋ねることができずにいた。「母の心に近づきたい。《母の素顔》を知りたい」と思い悩んできた。 戦後71年目を迎えたことし、エヴァとシルヴィアは初めてふたりでアウシュビッツを訪ねる旅に出掛けることにした。長年わだかまりを抱えてきた母と娘が共に向き合った《過去》とは・・・。『アンネの日記』の知られざる“その後”の物語を伝える。

語り:長塚圭史(俳優・演出家)
(内容59分)

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アウシュビッツ強制収容所にはヨーロッパ各地から130万人が連行され、少なくとも110万人が殺された。
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エヴァ(左)とアンネ(右)は同じアパートに暮らした元同級生。戦後、ふたりは数奇な運命で"義理の姉妹"となった。
©フォトコレクション・アンネフランクハウス
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戦後71年目を迎えたことし、母と娘は初めてふたりでアウシュビッツを訪れた。
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エヴァ(右)と末娘のシルヴィア(左)。"長い旅"の末、ふたりが共有した「過去」とは・・・。