2015年 1024日(土)よる11時放送
再放送1031日 午前0時放送(金曜深夜)

いのちを結ぶ手紙
いじめ自殺 21年目の対話

ことし7月、岩手県の中学2年の男子生徒が列車に飛び込み、みずから命を絶ちました。同級生からのいじめを苦にした自殺でした。「この20年、何も変わっていない・・・」。今回の事件に強い憤りを感じているのが、愛知県西尾市に暮らす大河内祥晴さん(69歳)です。
1994年11月27日、当時中学2年生だった息子・清輝君が、いじめに耐えかねてこの世を去りました。真実を明らかにしようとしない学校側の姿勢に不信感を募らせた大河内さんは、遺書を地元紙に公開。それは人々に大きな衝撃を与え、大河内さんの自宅には、いじめに苦しむ全国の子どもたちから1000通を超える手紙が寄せられました。
手紙をくれた子どもたちとの交流は、20年におよびます。今彼らは大人になり、親となった人もいます。痛ましい事件が繰り返されるたびに、大河内さんのもとには、かつて家を訪ねてきた子ども達から「いじめを受けた記憶がよみがえる」といった悲痛な叫びが寄せられます。いじめの傷は、長い時を経ても、癒えることなく深く刻まれたままです。
21年前、清輝君がみずからの命と引き換えに訴えたいじめの苦しみ。しかし、悲劇は後を絶ちません。大河内さんは旧態依然の学校や社会の姿に憤る一方で、子どもたちとの交流を重ねてきました。
手紙をきっかけに生まれた、いじめをめぐる対話の日々をみつめます。

語り:柴田祐規子アナウンサー
(内容59分)

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1994年11月、いじめを苦に命を絶った大河内清輝君(享年13)。
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わが子を救えなかった自分を責め続ける父・祥晴さん。
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子どもたちからの手紙を通して「いじめ」と向き合う日々。
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初めて打ち明けたいじめの苦しみ。