2015年 613日(土)よる11時放送(アンコール 初回放送2015年4月25日)
再放送620日 午前0時放送(金曜深夜)

小さき命のバトン

赤ちゃんは周りの人たちを幸せにする不思議な力があります。でも同時に、大人が守らなければ生きていくことができません。こうした“小さき命”を守るために奮闘してきた病院があります。熊本市の慈恵病院です。院長の蓮田太二医師(79歳)は、2007年5月、「遺棄されて亡くなる赤ちゃんの命を救うため」に日本初の“赤ちゃんポスト”、『こうのとりのゆりかご』の開設へと踏み切りました。

実は、病院が「ゆりかご」の開設と同時に始めたもうひとつの試みがあります。妊娠中の女性たちのSOSを24時間365日無料で受け付ける電話相談です。中高生の妊娠、性暴力被害による妊娠、「お金が無くて病院に行くことができない」などの声。8年間で8千件もの相談が寄せられました。蓮田院長は「こうのとりのゆりかごは、あくまで命を救うための最後の手段。できれば、預ける前に私たちに相談をしてほしい」と訴えています。

さらにこの病院が、新たな試みとして始めたのが“予期せぬ妊娠”をした女性が、育てることができない赤ちゃんを「新しい家庭」へと託す『赤ちゃん縁組』です。妊娠中から実母の相談に乗り、十分なカウンセリングをした上で出産と同時に赤ちゃんを“育ての親”に託す全国でも珍しい試みです。去年12月、『赤ちゃん縁組』を希望する夫婦が病院を訪れました。長年不妊治療をしてきましたが、子どもを授かりませんでした。夫婦は、分べん室の廊下で実母の出産を見守り、命が誕生する瞬間に立ち会いました。羊水の匂いの残る生まれたての赤ちゃんを胸に抱き、「この子は私たちが一生守る」と誓います。これまでに200組余りの新しい家族が誕生しました。

電話相談や『赤ちゃん縁組』を通してつながった小さき命と家族、支える病院のスタッフたちの姿を通して、命の尊さを伝えます。

語り:薬師丸ひろ子
(内容59分)

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“産みの親”から“育ての親”へと託された幼き命。
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蓮田院長は「遺棄されて亡くなる赤ちゃんの命を救うため」、日本初の“赤ちゃんポスト”を開設した。
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『こうのとりのゆりかご』には、この8年間で100人余りの赤ちゃんが預けられた。
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病院では、ゆりかごの開設と同時に妊婦からのSOSを24時間365日受け付ける無料電話相談を始めた。
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産まれたばかりの新生児を抱く養母。『赤ちゃん縁組』では、親と子の自然な愛着関係が形成されやすいと言われている。
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5年前に『赤ちゃん縁組』で子どもを授かった高口家。
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赤ちゃんを手放した実母の立ち直りも支えている。祈りの部屋で“再出発”を誓う実母。