インタビュー

リアルとコミカルのバランスがちょうどいい 日出男役 吉岡秀隆

 木皿泉さんの脚本ということで、楽しみに出来上がりを待っていました。読んだら文句なしに面白かった! ナスミ役の小泉今日子さんと元夫婦を演じられること、そして薬師丸ひろ子さんとまたご一緒できるというのも、とってもうれしかったです。

 僕が演じる日出男は、つかみどころがないような人間ですね。そして“転がり続ける人”に“魅力を感じている人”でもあります。ナスミと一緒に「富士ファミリー」に来ちゃったのも「この人について行けば未来が明るい気がする」と思ったからなのでしょう。それが、ナスミが亡くなって止まっちゃったような感じ。かと言って、元気がないわけじゃないんですよ。仲里依紗さん演じる愛子とうまくやっているし。そういう感じって人間臭いなぁと思うんですよね。そんなリアルな部分と、コミカルな部分のバランスがちょうどいいですね。仲さんとの共演シーンは、仲さんが思いのほかダイナミックに、爆発的に来てくださって(笑)。だから僕はそんな愛子に引きずられるような日出男を、楽しみながら演じました。

 また、家族のシーンは、みなさん本読みを一回しただけでお芝居をつかんでしまうような手応えがあり、とても安心できましたね。オールロケで家自体も借り切っていたので、そこに居さえすれば富士ファミリーの一員になれるような気持ちでいられました。待ち時間は薬師丸さんや片桐はいりさんと、ずっとおしゃべりをさせていただいていたので、そんな仲の良い雰囲気がお芝居にも出ていればと思います。

「富士ファミリー」は日出男も含め、家族と言いながらも血が繋がっていない人がいるという不思議な関係です。本当の家族だったらキツいことも言えてしまうけれど、「富士ファミリー」の面々には相手を傷つけてはいけないという遠慮があって、本当のことを言えない切なさがある。その人間らしさがかわいくて、どこかほほえましく感じます。

 思えば、僕が過去に出演させていただいた「男はつらいよ」シリーズや「三丁目の夕日」シリーズも、疑似家族みたいなところが根幹にあって、そんな関係だからこそ見えてくるものもあったのではないかなと。「富士ファミリー」も、そんな家族の優しいドラマになっていると思うので、肩肘はらず、気楽に観てもらえたらいいですね。僕も家族と一緒に観ようと思っています。

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