インタビュー

“家族っていいな”と思えるドラマです 春田雅男役 高橋克実

 僕が演じている雅男は、いたって普通の人です。「鷹子(薬師丸ひろ子)に毎年プロポーズをして、20回ふられている」、この設定を読むとちょっと変わっている?と思われるかもしれませんが(笑)、きっとごくごく普通の感覚の人。というのも、物事にある種のこだわりがある人って実際に僕のまわりにもいるんですよね。例えば同じ車に30年間乗り続けている知り合いとか。今回のお話をいただいたとき、ポンとその人のことが頭に浮かんで、役作りのヒントになりました。

「富士ファミリー」は一見どこにでもありそうなお話で、登場人物たちもどこかに存在しそうな人々ばかり。だからこそ、本当に“家族っていいな”と思えるドラマです。僕自身は今回で木皿泉さんの作品に3度目の出演となりました。出演させていただく度に木皿ワールドの炸裂を感じますね。木皿さんの本を読んでいると、市井の人たちの普通の暮らしを描いてはいるけれど、毎日遅刻せず学校や仕事に行くというような“真面目さ”って、実はどこか別の角度からみたらおかしく見えるんじゃないか?と思うこともあります。あと、木皿さんの作品って細かい設定が決まっていなかったり、割とセリフの中に助詞がなかったりするんです。だから演じる側が自分の感覚で探っていくことができる。今回でいえば春男のどういう生い立ち?どこで鷹子と出会ったんだろう?まわりの人と鷹子に対してと接し方は違う?などなど、これを考えることは役者として非常に面白い作業のひとつですね。

 今回“富士山”が劇中でキーポイントになっていますが、富士山といえば、僕の親父が営んでいた金物屋が「富士屋」という名前だったんです。親父、富士山が好きで。もう20年くらい前かな?富士山に矢がついて「富士矢」ってダジャレみたいな商標を作ったりして。かく言う僕自身も、東海道新幹線に乗るとき、行きは右側・帰りは左側と必ず富士山が見えるほうの席を取っちゃう富士山好きです(笑)。そんな風に普遍的にいろんな人の心に存在する富士山って、やっぱり日本人にとって大きな存在なんだなぁと思います。

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