「2030かなたの家族」番組のみどころ 2030年。その時、あなたのそばには誰かがいますか――。近未来の東京を舞台に、人のつながりの意味を見つめ直します。 「2030かなたの家族」

【あらすじ】

2030年、東京。シェアハウスで暮らす板倉カケルは、地方に移住することになった年上のシェアメイト・美冴から、「子作りに協力して欲しい」と突然持ちかけられる。これまで家族を持つなど考えたこともなかったカケルだが、美冴への答えを探す中で、15年前にばらばらになった両親、祖父母、そして妹、ひとりひとりと向き合い、「家族」とは何か考え始める。そして、誰かとつながることの意味に初めて思いを馳せたカケルが出した結論とは――。

【このドラマが描く2030年の世界とは】

地縁、血縁、社縁といった、これまで大事にされてきた人とのつながりが流動化。独り世帯が増え、夫婦と子供からなる「標準家族」はむしろ少数派になっている。一方で65歳以上の高齢者人口が3割を超えるなど高齢化にも拍車がかかり、経済格差も拡大している。

「2030かなたの家族」

●東京都心部

エミイの勤めていた国際企業がある

グローバル企業が軒を連ね、そこに勤めるエリート層が高層マンション等で暮らす。

●永遠(とわ)シティ

祖父・勝三と祖母・さと子が暮らす
母・佳子の職場

佳子ら一部の管理職員を除き、75歳以上の老人たちだけが住む究極の「老人の街」。最先端のテクノロジーとホスピタリティーが凝縮され、徹底したリスク管理で寿命を延ばしている。富裕層はサービスを享受するだけだが、そこまで豊かでない老人も、働きながらここで暮らしていくことの出来る仕組みで、勝三も足の悪いさと子の分まで仕事をしながらこの街で暮らす。

●かつての「ニュータウン」

父・透だけが残るかつての板倉家

都心への通勤に1時間以上かかっても、かつては誰もが手に入れたいと憧れた庭付きの一戸建てが立ち並ぶ。しかし家族の分散化で次々に住民が居なくなり、街はゴーストタウンとなっている。人の姿は消えても、桜は見る人もない花を散らし続けていた。透は街と家族の再生を夢見て、廃線寸前の駅前で不動産事務所を守り続けている。

●エミイの共同体

グローバル企業を辞めたエミイが身を投じている

都心のかつての巨大団地もいまやゴーストタウン化。そこにある廃校になった小学校に、エミイは社会からはじき出された人たちの共同体を作っていた。個人個人では生活の立ち行かないシングルマザーや身寄りのない子供、若者などを集め、独自の経済システムを構築。他人同士が集まる外界とは隔絶した世界に、エミイは家族に代わる「絆」を求めていたが……。

●シェアハウス

カケルや美冴が住む

同じ世代や趣味の持ち主など、共通項のあるもの同士が程よい距離感で経済的に暮らせる場所として、若い世代の都会でのライフスタイルの主流になりつつある。

●子育ての楽園「ママエデン」

美冴が教師の職を得て移住

人口減少が続く地方の町と、富裕層以外は暮らしにくい都会にこだわらない若い層の需要がマッチし、東京から地方への移住も増加。低収入でも豊かに暮らそうという志向が強まっている。自治体もさまざまな特典をつけて勧誘に躍起。


『2030 かなたの家族』作者のことば …井上由美子

2030年、日本の人口は現在より1000万人減少、65歳以上の高齢者が3割に達し、変革の時代を迎えると言われています。

そんな15年後――私たちは、どこで誰と何をしゃべっているでしょうか?

近未来の物語では、技術革新や医学の進歩、宇宙からの侵略などが題材になることが多いですが、このドラマは技術や科学の進歩より、誰にとっても身近な「家族」の未来を描きたいと思いました。

舞台は2030年ですが、どれだけ劇的に変化するかを描くSFではなく、変わらないものにも光をあてる、今と地続きの物語を体験していただければ幸いです。

タイトル『かなたの家族』のかなたは、現在から見たはるか彼方の未来であり、2030年から見た忘却の彼方の現在でもあります。 

近未来の小さな世界で …演出 笠浦友愛

このドラマはSFではなく、2030年の「日常」を描く物語です。家族があたり前でなくなった社会で、私たちは何を失い、何を大切にしているのか? シニアだけの街やドロップアウトした人々の集まりなどの設定やディテイルは、30か所以上の取材から試行錯誤してイメージを立ち上げました。家族や結婚といった枠組みをいったんリセットして、見る人に自分だったらどう生きるか、誰かと一緒に生きていきたいかを想像してもらう、いわば近未来疑似体験ドラマです。

いまを生きる「近未来人」に …制作統括 陸田元一

地縁、血縁、社縁――日本人が大切にしてきた、そんな人のつながりの枠組みが薄れて行くことをどう捉えるのか。これからの家族のあり方を見つめようと決めたときに、直面した課題でした。しかし当り前のことですが、「家族」もひとりの人間同士の結びつきから始まったはずです。過去の家族の再生でなく、「この先の家族」に向けてひとり静かに、確信をもって歩みだす主人公の姿に、未来への希望を感じていただければと思います。

【ドラマ 2030かなたの家族】

【放送】2015年9月26日(土)よる9時00分~10時29分 総合・89分(単発)

【作】井上由美子

【音楽】井上鑑

【出演】
 瑛太、蓮佛美沙子、小林聡美、松重豊、
 相武紗季、小日向文世、山本學、渡辺美佐子

【演出】笠浦友愛

【制作統括】陸田元一