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特集ドラマ「帽子」記者会見に緒形拳さん、田中裕子さんなどが登場!

boushi01.jpg特集ドラマ「帽子」記者会見に緒形拳さん、田中裕子さんなどが登場!

7月18日、東京・渋谷のNHK放送センターで、広島放送局制作の特集ドラマ「帽子」(放送:8月2日(土)総合・後9:00)の作者の池端俊策さん出演者の緒形拳さん、田中裕子さん、玉山鉄二さん、主題歌歌手の元ちとせさんたちの会見が行われました。

■湯澤克彦(制作統括)から…
このドラマは広島局開局80年記念ということで、色んな意味で広島の想いがつまったドラマになったと思います。広島といえば人類史上最初の被爆地でありますので、原爆というのは広島放送局の一番根っことするテーマでありますけど、今回広島開局80周年ということでその歴史を振り返ってみた時に私共としては広島の原爆とか戦争っていうのはベースに置きながらそれだけではなくて、そういう戦争とか原爆を抱えながらそういった人間がこれまでどう生きてきたのか、それから今日本人がどんな風に生きているのか、それから自分たちがこれからどうやって生きていくのかっていう、そういう今これからどう生きるのかっていうのを考えられるようなそういうドラマにしたいっていう想いで作ってまいりました。これまで色々脚本の池端さんは呉市出身で、池端さんと色々話し合いしながら脚本を作っていただき、それから主演者の皆さんの骨太な演技でそういうことが考えられるようなドラマができたんじゃないかと思っております。そういう意味でこれをご覧になった視聴者の方々が自分にとっての帽子って何だろうなっていうようなことを考えていただければいいなと思って作りました。

■池端俊策(脚本)さんから…
去年、一昨年の暮れくらいにお話をいただきまして、広島県の出身者であるから書けということで、私も呉については色んな想いがあり一度戦後史のようなものを描いてみたいという風に思っておりましたので。つまり呉っていう町が海軍の町でそれが駄目になって戦後また違う形で細々と生きてるという、その細々と生きてる様が自分の育った時代と全くダブってるもんですから、そういう時代の空気みたいなものを背負ってる人物を描きたかったということがありました。出来上がった作品を見て、脚本家っていうのはストーリーも台詞も知ってるわけでありまして何を見てるかっていうと、俳優さんのコラボレーションといいますかやりとり、見つめ合い、役者さんの顔、目、それが非常に興味ありまして、カチンカチンと全部がはまってくるようなそういう自分が書いたものと役者さんと一体化してるんじゃないかって錯覚できるような作品に巡り合うと、うまくいってるっていう風に思えるんです。今日はそういう作品に巡り合えたなと久しぶりに。とにかく俳優さんがいいです。もちろん俳優には演出家がいるんですけど、それはまぁ置いといて…NHKの人ですから。緒形さんと玉山さんのどこか自信のない2人のやりとり、特に新幹線のシーンが良かった。それから緒形さんと田中さんが初めて再会するクリーニング屋のシーンが抜群に良かったです。それで感動しました。

■緒形拳(高山春平(はるへい)役)さんから…
3週間くらいの呉の滞在でしたかね。広島に泊まって呉へ通うんですけど呉の町が良くってこんな中でひっそり働いている若い青年とおじいさんの2人の話が上手くつたえられればいいなと思って、毎晩毎晩コイツと2人で広島で牡蠣を食って、この季節でも牡蠣が旨くって、たまには他の人とも食いたいなと思うぐらい毎晩一緒でした。でも味覚がどっか合うっていうことはすごく大事なことで、毎日嬉しい日々でした。

■田中裕子(竹本世津(せつ)役)さんから…
池端さんの本を読ませていただいた時に、本当に戦争、爆弾だとか人が死ぬシーンだとか悲惨なシーンとかそういうことではなくて、こういう本があるんだなって、こういう見せ方があるんだなってとても私にとっては新鮮で、どんな作品ができるのか楽しみでした。黒崎さんは俳優を大事に撮ってくださる監督さんなのでありがたかったです。緒形さんとは30年近くなりますが「北斎漫画」という映画で親子の役で出させていただいた以来で、きっとすぐにでもまたどこかでお会いしてお仕事させていただけるんだって自分の中では思ってたんですけど、あっという間にこんなに2人とも歳をとって、でも一緒にお仕事ができて嬉しかったです。玉山さんとはもうちょっと色々お話したり、それこそ牡蠣も一緒に食べたかったりしましたができませんでした。次どこかでそんな機会があるといいなと思います。

■玉山鉄二(河原吾朗 役)さんから…
池端さんの本を読ませていただいた時に、本当に戦争、爆弾だとか人が死ぬシーンだとか悲惨なシーンとかそういうことではなくて、こういう本があるんだなって、こういう見せ方があるんだな1ヶ月弱の撮影だったんですが、本当に毎日のように緒方さんに食事に連れていっていただいて、毎日のように牡蠣を食べて、今日は蒸して食べたり、次の日は生で食べたり、本当に貴重な体験というか幸せな毎日を送っていました。現場なんですが同じ空気感というか、その中にいるだけで本当に幸せで、僕が個人的に好きなシーンというか緒形さんの好きなお芝居っていうか、人を叩く芝居がものすごくリアリティーがあって、見ていて自然と笑顔が出てくる感じがするなと思って、さすが緒方拳さんの拳はコブシの拳だなって現場で思っていました。あと自分ごとなんですが、僕今28になりまして、自分の自信だったり誇りだったり、そういうものにちょうど30前で自信が少しなくしたりとかちょっとシビアになってる自分がいて、ちょうどそういう時期にこの作品に出会えて本当によかったと思ってますし、この作品を糧に精進していきたいと思います。本当に幸せな1ヶ月半でした。

■元ちとせ(主題歌)さんから…
今回「いのちのうた」ということをテーマに歌を歌わせていただいたんですけど、ドラマの本も見させていただきました。私は広島に行って改めて戦争の恐ろしさであったり悲しさであったり、本当に教えていただきました。それを語り継いでくれた広島の方々を始め、今平和であるということに対しても感謝の気持ちを込めて何か希望の光であったり夢を描くような気持ちになる曲を皆さんに届けられたらいいなと思って歌いました。ドラマの方も見させていただきましたが何度も何度も涙しましたし、緒形拳さんが自分の実家の隣に住んでいる自給自足をしているおじいさんに似ていて懐かしくなったりもしながら。でもすごく希望のある、気持温まるドラマだなと思って見させていただきました。このドラマ、そしてこの歌に自分が参加できたことをすごく嬉しく思っています。

■黒崎博(演出)から…
最後のエンドロールの皆さんの名前が流れるところは当初真っ黒でもいいかなと思っていたんですけど、元さんの歌を聞かせていただいて、これは何か映像をつけたいと思いまして急遽、呉の方で映像をいっぱい追撮をしてきまして最後90秒間の、90秒って短い時間ですけど、何かひとつの呉へのオマージュっていうかドキュメンタリーみたいに大切に繋ぎたいなと思ってあのような映像に急遽なりました。とっても素敵な歌だな、本当にドラマにぴったりな歌だなと思っています。呉と広島と東京で約1ヶ月弱、主要キャストの皆さん泊まり込みの体制で、スタッフもそこに暮らすというつもりでロケをやりました。帽子屋さんのセットっていうのは呉の元々ガレージで空き家になっていたところをウチの技術スタッフが全部改造させていただいて、おばあちゃんが一人で暮らしてらっしゃった家を何日間か使わせてくださいということでスペースを使わせていただいて、そこが春平さんの住居スペースとなったわけです。緒形さんが実際に帽子屋さんから借りてきた古いミシンを置いてその前に座ったそのカットをカメラが構えた瞬間に、これは春平さんだな、帽子屋さんのキャラクターが出来てしまったなと、もうお芝居する前から確信が持てた、それから玉山さんと田中裕子さんが川べりで歩くシーンがありましたけど、もうすごくカメラから離れてて2人が何を喋ってるかは全然聞こえないんですけど、並んでそこを歩いている姿を見ただけでああ、もう節っちゃんと吾朗だと文句なく、これは何の演出もいらないなと確信もってもうこのカットを撮ろうと思えるような、そんなことが連続して毎シーン起きるっていうような感覚でした。緒形さんがおそらく持っているであろう膨大なお芝居の引き出しの中から、「このシーンはこういう芝居でいいんだよ」「こんなんでどうだい」っていうようなシーンは1シーン・1カットもなかったです。本当にこういう言い方は失礼かもしれないけど新人俳優が毎カット・カメラの前に怯えながら芝居をしてらっしゃるように、本当に考えながら瞬間瞬間まで悩みぬきながら演じてくださったという風に僕は感じました。それをもう無我夢中でスタッフは撮ったと、ドキュメンタリーを撮ったという風に思ってます。ドキュメンタリーのように感じていただけたかどうかは別にして、そのお芝居の瞬間瞬間を逃さず撮った、それはおそらく見ている方に伝わるんじゃないかとそこだけは自信持ってお勧めしたいと思います。


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